Apple Watchの活用を支えているのは、フィットネス、ワークアウトといった身体的なアクティビティの計測や管理だ。前述の通り、スマートコーチ機能は、日々のカロリー消費やエクササイズの目標を達成するために、どんなワークアウトを何分行えばいいか、という提案をしてくれるなど、ここにもSiriの効果が活かされることになる。

フィットネス機器製造・販売の大手との提携が明らかに

そんなフィットネス機能で目覚ましい成果となるのは、フィットネス機器製造・販売の大手との提携だ。AppleはWWDC 2017の基調講演で、LifeFitness、Cybex、MatrixなどのメーカーのマシンとApple Watchを同期させ、より正確な情報をApple Watchに取り込むことができるようにすることを明らかにした。現在、利用されているマシンのNFCタグに、Apple Watchをタップすることでペアリングを行い、データの同期を手軽に行えるという仕組みだ。このAPIを、GymKitと呼ぶ。

さてここで、Apple WatchやiPhoneのNFC機能の現状がどうだったかを思い出して欲しい。Apple Payの機能に特化する形で、内蔵NFCの活用が行われてきたのはご存じの通りだろう。GymKitの登場とフィットネスマシンとのペアリングを実現するということは、watchOS 4にアップグレードしたApple Watch、もしくは然るべきタイミングで登場するであろう新製品が、Apple Pay以外の用途でNFCが活用されうることを示している。データの連携はおそらくBluetoothが用いられることになるだろうから、既にソニーなどのヘッドフォンとスマートフォンの間で行われているような、NFCを土台にしたBluetooth接続設定を済ませる活用方法が、Appleのデバイスにももたらされることになるはずだ。