2つのiPad ProがWWDCの主役に
現時点で、ハードウェア関連で最も発表の可能性が高いとされているのが「iPad Pro」だ。Appleの主力製品であると目されながらなかなかアップデートが行われず、現行の12.9インチモデルが2015年末、9.7インチモデルが2016年春の登場となっている。iPad Proのリリース計画は予定よりも遅れが目立っているといわれ、当初は新モデルの登場が2016年末、次に2017年春頃といわれていたが、最終的にWWDC17の行われる2017年半ばということになりそうだ。
iPad Proに関しては「10.5インチモデル」の新規登場が噂されている。この新モデルによりiPad Proは3種類のラインナップを揃えるように思われるが、実際には9.7インチモデルとほぼ同等サイズの筐体にベゼルレスデザインを採用し、より大画面の10.5インチのディスプレイを内蔵可能にしたものだと考えられている。そのため、10.5インチモデルの登場をもって9.7インチはフェードアウトしていく可能性が高いとみられる。
12.9インチモデルについての話はあまり出ていないが、プロフェッショナル向け、あるいはビジネス向けの市場を訴求するため、モデルとして存続していく可能性が高いと考える。前述のように最終アップデートから1年半以上が経過しており、すでにアップデートは必須と考えられる。iOSでのiPad Pro向けUI変更や新機能追加もWWDCで発表される可能性が高いとみられ、それに合わせてApple Pencilを交えたいくつかのデモストレーションが披露されるのではないだろうか。実質的に、今回のWWDC17におけるハードウェア関連の主役は2つのiPad Proが担うことになると考えている。
「残りのハードウェア製品は?」と思われる方もいるかもしれないが、現時点ではここまでの可能性が高い。iPhone新製品は例年通り9月以降、Apple WatchやApple TVのアップデートも現時点では見送り、iMacやMac Pro、Mac miniといった製品群も今回のアップデートは期待できない。一方でWWDC17はソフトウェア開発の祭典であり、macOS、iOS、watchOS、tvOSと4種類のOSアップデートに関する情報が紹介され、秋以降の正式リリースに向けて備えるよう開発者への通知が行われるはずだ。もしこれらの新ハードウェアに期待するのなら、秋以降の動向に注目してほしい。