米Apple主催の開発者会議「WWDC17」が6月5日~9日の5日間の会期でスタートする。初日にあたる5日の午前10時(PDT:太平洋時間、日本時間で6日午前2時)には、同社CEO Tim Cook氏らをはじめとする人々による基調講演が行われ、最新のソフトウェア製品を含むいくつかの新発表や技術トレンドが紹介される見込みだ。

例年のようにライブストリーミングによる中継も行われ、HLS対応のmacOS/iOS搭載のSafari、第2世代以降のApple TV、またはWindows 10のEdgeブラウザ上で閲覧することが可能。長年の会場だったサンフランシスコを離れ、初期の会場だったサンノゼへの帰還を果たした今年のWWDC、どのような話題が出てくるのだろうか。本稿では、このイベントの注目ポイントを、予想を含め紹介していく。

いよいよ開催。WWDC17の基調講演は6月5日午前10時(日本時間で6日午前2時)より今年もライブストリーミング中継で視聴可能

ハードウェア製品での注目、MacBookラインナップはどうなる

一般にWWDCはAppleのサードパーティ開発者のための祭典であり、同社のOSプラットフォームに関する最新情報提供の場として機能してきた。過去にはMacの最新製品が発表されたり、あるいは3月期にiOS(当時の名称は「iPhone OS」)の最新情報が公開されていた時期にiPhone新製品の発表の場としても機能してきた。iPhone新製品発売が9月以降の秋期で固定されたiPhone 5以降は、「ソフトウェア重視」の姿勢がより強固となり、Apple自身も努めてそうしてきた。だが今回は、このトレンドが数年ぶりに転換する形でハードウェアのリリースが行われるかもしれない。

今回、WWDCでのアップデート候補として噂されているのは「MacBook (12インチ)」「MacBook Pro」「MacBook Air」「iPad Pro」の4つのカテゴリの製品だ。

もともとMacBookのMac系ノート製品3種類は今年2017年初頭にKGI SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏がアップデートを予告しており、特に今年後半には15インチMacBook Proでの32GBメモリを搭載したハイエンドモデルが登場する見込みだとしている。この時点ではホリデーシーズン商戦を狙った製品展開だと考えられていた。

だが後の5月中旬になり、BloombergでMark Gurman氏とAlex Webb氏の両名が「WWDCでのMacBookラインナップのフルアップデート」を匿名の情報筋からの話として報じており、再び注目が集まることになった。MacBook Proに関して、現行モデルはLate 2016であり、もし新モデルが登場するならばアップデート間隔は非常に短いものとなる。

一方でMacBook (12インチ)はEarly 2016、MacBook Airに至ってはEarly 2015であり、そろそろ更新がかかってもおかしくないタイミングだといえる。だがMacBook AirはAppleが徐々にフェードアウトさせていく意向だと噂されており、少なくとも昨年2016年末時点でのアップデートがなかったのはそれを象徴したものだと考えられている。ではなぜ、このタイミングでのアップデートなのだろうか。