では、なぜ、そのように感じるようになったのか。それは、目立たないが電力供給以外のサービスに積極的に乗り出しているからだ。
たとえば、2017年初頭から提供し始めたスマートフォンアプリ「TEPCO速報」。これは、停電情報や地震情報、雨雲情報をプッシュ通知でユーザーに知らせてくれるアプリだ。停電情報の提供は、電力事業者であることを考えれば当然ともいえる。それに加え、地震情報、雨雲情報を入手できるのがうれしい。特に後者は、近年、猛威をみせているゲリラ豪雨に、「最寄りのコンビニで傘を買う」「喫茶店に逃げ込んでおく」といった、なんらかの対策を打つための材料として活用できそうだ。
工業地帯ブームにマッチしたインスタグラム
「ん!?」と思ったのが、東京電力ホールディングスが公式インスタグラムを開設したこと。これは、発電プラントや鉄塔、本社ビルといった東京電力が管理する設備をプロカメラマンが撮影し、インスタグラムで公開するという試み。東京電力から「インスタグラムを始めます」と事前にアナウンスを受けたが、「そんな場合かなぁ」と、そのときは正直思った。だが、公開された写真はどれもクオリティが高く、盛り上がりをみせる“工業地帯ブーム”にもマッチしているため、根強いファンが増えそうだ。そして何より、東京電力がどのような設備を保有しているのか、多くの方々に知ってもらえる効果がある。
スマホアプリにしてもインスタグラムにしても、東京電力が一般消費者向けにサービス強化を進めている表れともいえるのではないか。