新料金プラン「シンプルプラン」や「docomo with」など、安価に利用できる料金プランを次々と打ち出すNTTドコモ。本年度は数百億円規模の顧客還元を実施するとしているが、なぜNTTドコモは料金プランに手を付けてまで、顧客還元を推し進めようとしているのか。
月額980円で利用できる「シンプルプラン」を提供
ワイモバイルやMVNOなど"格安"のサービスが急速に台頭している携帯電話市場だが、大手キャリアの側も相次いで料金施策に力を入れる様子を見せている。中でもここ最近、相次いで"攻め"の料金プランを打ち出しているのがNTTドコモだ。
同社が最初に打ち出したのが、4月27日に発表された「シンプルプラン」と「ウルトラシェアパック30」の2つ。中でも大きな話題となったのがシンプルプランである。
これは、家族で主回線の通信容量をシェアする「パケットシェア」の仕組みを利用しているユーザーのみが契約できる新しい料金プラン。「カケホーダイ」「カケホーダイライト」などと比べると、通話定額の範囲が家族同士のみに制限され、家族以外に電話をする時は従量制の料金体系となるが、その代わり月額980円と非常に安い料金で利用できる。
実際この料金プランを、データ定額サービスの「シェアパック」を契約していない子回線に適用した場合、シンプルプランとspモードの料金(月額300円)、主回線のシェアパックを共有するのに必要な「シェアオプション月額定額料」(月額500円)を合わせた合計が1,780円となる。通話定額こそ限定されるものの、LINEの無料通話などを活用することにより、子回線であればMVNOに近い料金で利用可能になるわけだ。
そしてもう1つのウルトラシェアパック30は、昨年より提供されている、大容量のデータ通信容量を安価に利用できるデータ定額サービス「ウルトラパック」の新プラン。パケットシェアで利用する家族向けの「ウルトラシェアパック」はこれまで、50GBの容量を月額1万6,000円で利用できる「ウルトラシェアパック50」が最も安価であった。
だがウルトラシェアパック30は、それより容量が30GBと小さくなるものの、月額1万3,500円で利用できる。ウルトラシェアパック30の下のプランとなる「シェアパック15」は月額12,500円であることから、1,000円プラスするだけで倍の容量が利用できる計算になる。