ランドロイドがファッションの楽しみを広げてくれる
今回は協働する企業として、エアークローゼットおよびCerevoとの連携を紹介した。
エアークローゼットは、30~40代の女性をターゲットにした月額のファッションレンタルサービス「airCloset」を手がけている企業だ。レンタルそのものが目的ではなく、レンタルを通してユーザーが新しいファッションと出会う体験の提供を目指している。プロのスタイリストの見立てと、気に入った服はそのまま購入も可能なことが特徴だ。
ユーザーは、PCやスマートフォンからオンラインでユーザー登録し、服のサイズや好きな色味、あるいは衣類に関する悩みなどを入力。エアークローゼットが契約するプロのスタイリストがその情報をもとに、3着の服を選び、宅配便でユーザーに届ける。試着して、好きなだけ楽しんだら返却し、もし気に入れば購入も可という流れだ。
このサービスをランドロイドアプリと組み合わせることで、エアークローゼットのスタイリストは、ユーザーが持っている服の種類やサイズをより正確に把握できるようになり、満足度の高い服の提案が容易になる。ユーザーにとっても、あまり着ていない服が可視化されてるので、エアークローゼットにコーディネートする服を相談しやすくなるというわけだ。
エアークローゼットの天沼聰 代表取締役CEOは、「レンタルであり、かつプロのスタイリストの見立てなので、普段着ないような服でもチャレンジしてみたくなる。新しいファッションとの出会いや、ファッションの幅を広げるきっかけになるのでは」と期待を述べる。
一方のCerevoは、米ラスベガスで1月に開催されたCES 2017で注目を集めた、変形するロボット・デスクライト「Lumigent(ルミジェント)」を開発するメーカーだ(ほかにもユニークかつIoTガジェット的なものを多く手がける)。 あ LumigentはAmazon Alexaに対応し、音声認識で点灯・消灯、明るさの調整、指定位置までアームを伸ばして点灯、といったことができる。この音声機能を利用し、ランドロイドの基本操作を音声認識で実行したり、ランドロイドの設定を確認できるようにしようと計画している。
例えば、食器の洗い物をして手が塞がっているときに、ランドロイドの折りたたみ終了時間が知りたいとする。このとき、Lumigentに話しかけると、Lumigentが音声認識してランドロイドと交信し、折りたたみ終了の時間を調べて通知してくれるのだ。
Cerevoの岩佐琢磨 代表取締役CEOは、「無機質でレスポンスのないものに話しかけるのと異なり、返事をする人工知能には声を掛けやすい。今年末あたりから、音声認識を利用したデバイスは急速に普及すると思う」と見通しを語った。
今までに類のない新しいジャンルの製品となるランドロイドが、ただ「衣類をたたむ」だけのラクする家電ではなく、ファッションの楽しみを積極的に広げ、他の家電ともつながって利便性を向上していくというのは、説明を聞いているだけでワクワクしてくる話だ。
もちろん、先述の通り、結構いい自動車が買えてしまうような価格。置き場所の問題もあり、一般消費者としてはまだまだ手が出づらい憧れの製品だろう。阪根社長は「現在、食器洗い乾燥機を同じくらいには、ランドロイドを普及させるべきだと信じている。何年後になるかは分からないが、売れていけば安くできる設計にしているので、いずれは食器洗い乾燥機と同じくらいの価格帯に持っていきたい」と抱負を述べた。
何年後といわず、一年でも早く、ランドロイドが三種の神器と呼ばれる時代が来ることを期待したい。