本機はCPUに第7世代のCore i5-7200U(2.5GHz/最大3.1GHz)、メモリに4GBのDDR4 SDRAM PC4-17000、ストレージにSerial ATA対応の128GB SSDを搭載している。グラフィックスはCPU内蔵のインテルHDグラフィックス620だ。いったい、どのくらいのパフォーマンスがあるのだろうか。そこで、いくつかのベンチマークを実行してみることにした。
WinSAT.exe
まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
■WinSAT.exeの結果 | |
プロセッサ | 7.6 |
---|---|
メモリ | 5.9 |
グラフィックス | 4.9 |
ディスク | 8.15 |
※本機のメモリ搭載容量が4GBのため、WinSAT.exeの制限でメモリのスコアは5.9が最大となる
スコアを見るとプロセッサとディスクの性能が高いことがわかる(なお、本機はメモリが4GBなので、メモリのスコアは5.9までに制限されている)。Core i5-7200Uの性能を考えるとグラフィックスのスコアがやや低めなのが少し気になるが、全体的には妥当な結果だ。
PCMARK 8 HOME ACCELERATED
続いてPCの総合的なパフォーマンスを見るPCMARK 8 HOME ACCELERATEDでは、下図のようになった。
■PCMARK 8 HOME ACCELERATED 3.0スコア | |
Score | 3209 |
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Test duration | 35min 35s |
Web Browsing - JunglePin | 0.36364s |
Web Browsing - Amazonia | 0.15491s |
Writing | 3.76415s |
Casual Gaming | 20.19fps |
Video Chat playback 1 v2 Accelerated | 30.01fps |
Video Chat encoding v2 Accelerated | 53.00000ms |
Advanced Photo Editing 1 | 0.19586s |
CINEBENCH R15
PCMARK8の結果を見ても、GPUの性能が反映されやすいCasual Gamingのスコアがやや低め。そこで、「CINEBENCH R15」を試したところ、OpenGLが33.00fps、CPUが323cbとなった。やはり他のCore i5-7200U搭載ノートと比べるとCPU性能は互角だが、グラフィックス周りが多少低めになっている。
3DMARK
さらにグラフィックスの性能を見るため3DMARKを試してみたところ、次の結果になった。
■3DMarkスコア | |
Fire Strike | 637 |
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Sky Diver | 3252 |
Cloud Gate | 5215 |
Ice Storm Extreme | 32933 |
Ice Storm | 45880 |
ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が3252、「Cloud Gate」が5215となり、やはり他のCore i5-7200U搭載ノートより1割ほど数値が低い傾向にある。この辺りの差が薄さ・軽さとのトレードオフになっていそうだ。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
もっとも、若干グラフィックス周りが弱いと言っても、実際の使用で気になるほどではない。軽めのゲームなら問題なく動作する。たとえば、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトなら、次のように解像度や品質を欲張らなければ快適にプレイすることが可能だ。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
低品質 | 1280x720 | 6356 | 快適 |
標準品質 | 5475 | 快適 | |
最高品質 | 4245 | 普通 | |
低品質 | 1920x1080 | 2843 | やや重い |
標準品質 | 2344 | やや重い | |
最高品質 | 1632 | 重い |
FINAL FANTASY XIVベンチマーク
同様に「FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」と「FINAL FANTASY XIV: 蒼天のイシュガルド(DirectX 11)」、「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者」も試してみた。
FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマークスコア | |||
標準品質(ノートPC) | 1280x720 | 2950 | やや快適 |
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高品質(ノートPC) | 1674 | 設定変更を推奨 | |
最高品質 | 1430 | 設定変更が必要 | |
標準品質(ノートPC) | 1920x1080 | 1633 | 設定変更を推奨 |
高品質(ノートPC) | 896 | 動作困難 | |
最高品質 | 740 | 動作困難 |
FINAL FANTASY XIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークスコア | |||
標準品質(ノートPC) | 1280x720 | 1893 | 設定変更を推奨 |
---|---|---|---|
高品質(ノートPC) | 1352 | 設定変更が必要 | |
最高品質 | 1151 | 設定変更が必要 | |
標準品質(ノートPC) | 1920x1080 | 981 | 動作困難 |
高品質(ノートPC) | 777 | 動作困難 | |
最高品質 | 621 | 動作困難 |
FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマークスコア | |||
標準品質(ノートPC) | 1280x720 | 1953 | 設定変更を推奨 |
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高品質(ノートPC) | 1619 | 設定変更が推奨 | |
最高品質 | 1136 | 設定変更が必要 | |
標準品質(ノートPC) | 1920x1080 | 940 | 動作困難 |
高品質(ノートPC) | 814 | 動作困難 | |
最高品質 | 591 | 動作困難 |
FINAL FANTASY XIVだと、1280×720の解像度、標準品質でなんとかプレイできるといった感じだ。
CrystalDiskMark
次に、「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。SSDがSATAなのでより高速なNVMe対応のものに比べると数値は低いが、シーケンシャルリードが500MB/s前後と十分すぎる性能だ。
BBench
モバイルノートにとって、バッテリ駆動時間の長さも気になるところ。本機は「2セルバッテリ(25Wh)」を採用しており、JEITA 2.0で最大約8.3時間の駆動が可能とされている。
そこで、電源プランを変えながら、バッテリベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみた(なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている)。
BBenchの結果 | ||
電源プラン | 画面の明るさ | 駆動時間 |
---|---|---|
省電力 | 40% | 6時間15分 |
公称値の8.3時間には及ばないものの、6時間15分の駆動が可能だった。800gを切る軽さでこれだけ持てば十分だと言えるだろう。なお、本体質量が150gほど増えてしまうが「UH90/B1」及びカスタムメイドモデルでは容量が倍の「4セルバッテリ(50Wh)」を選択できる。これだとカタログ値で約17.0時間の駆動が可能だ。
ちなみに、本機のACアダプターは150gと非常に軽量なタイプで、標準バッテリなら約30分、ロングバッテリなら約50分で約50%までの急速充電が可能。このACアダプターはちょうど標準バッテリとロングバッテリの質量差と同じくらいの重さなので、出先でもAC電源が確保できるなら、標準バッテリを内蔵したモデルを選んで、ACアダプターを一緒に持ち歩くようにした方がよさそうだ。利用シーンに合わせてラインアップから選んでみてほしい。
ハイレゾ対応など音へのこだわりも魅力
マグネシウムリチウム合金素材を採用して761gというクラス世界最軽量のボディを実現した「LIFEBOOK UH75/B1」。単に軽いだけでなく、美しい外装や、充実した基本性能とインターフェイス、入力しやすいキーボードなど、魅力的な要素を数多く備えている。ハイレゾ音源に対応したヘッドホン端子を搭載しているのもその一つで、手持ちのハイレゾ対応ヘッドホンを挿し込めば原音に近いサウンドを楽しむことができる。
個人的には13インチで800gを切る軽さに大きな魅力を感じたので、カタログモデルの「LIFEBOOK UH75/B1」をお勧めしたいが、用途や利用シーンによってはバッテリ駆動時間やストレージの空き容量に不満を持つ人もいるだろう。その場合、直販サイト「WEB MART」で販売されているカスタムメイドモデルなら、より高速なCore i7-7500Uやロングバッテリ、大容量ストレージを選ぶことができるので、ぜひ検討してみてほしい。
詳細スペック | |
製品名 | LIFEBOOK UH75/B1 |
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CPU | Intel Core i5-7200U(2.5GHz) |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 128GB SATA SSD |
グラフィックス | Intel HD Graphics 620(CPU内蔵) |
光学ドライブ | ― |
ディスプレイ | 13.3型(1,920×1,080ドット) |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN、Bluetooth 4.1、1000Base-T準拠の有線LAN |
インタフェース | USB 3.1(Gen1)Type-C×1(USB Power Delivery対応)、USB 3.0 Type-A×2、HDMI×1、マイク・ラインイン・ヘッドホン・ラインアウト・ヘッドセット兼用端子、ダイレクト・メモリースロット |
OS | Windows 10 Home 64bit |
バッテリ駆動時間 | 約8.3時間(JEITA 2.0) |
本体サイズ/重量 | W309×D212.5×H15.5mm/約761g(ピクトブラック)、約764g(サテンレッド) |