こうした基本性能の改善に加え、XZsに新たな機能として追加されたのが「スーパースローモーション」と「先読み撮影」機能だ。

スーパースローモーションは、動画撮影中にボタンを押すと、0.18秒間のハイスピード撮影を行い、その後通常のスピードでの録画に戻る。960fpsでの撮影なので、通常の30fpsで再生すると5~6秒程度に引き伸ばされるため、スローモーション映像として再生される。

動画モードで録画ボタン(赤い円がついた丸ボタン)の上にあるのがスーパースローモーションボタン。これをタッチするとモードが切り替わる。録画ボタンを押して、ここぞというときにスローモーションボタンをタッチする。解像度は自動的に720pに制限され、手ブレ補正のためか画角が一気に狭くなる

動画撮影中のここぞというタイミングでスーパースローモーション撮影をすれば、その一瞬をインパクトのある映像で記録できる。実際に試してみると、とにかく楽しい。HD画質(720p)のみという制約もあるし、記録時間は固定だが、日常の何でもない風景が、簡単にドラマティックな映像になって面白い。

スーパースローモーションで撮影

スロー撮影ボタンを押した瞬間より、少し遅れて記録が開始されるため、ここぞという瞬間に撮影を開始しても、意外にシャッターチャンスが遅れない。逆に、少し早めにボタンを押すとタイミングがずれてしまうので注意が必要だ。

先読み撮影は、画面上の被写体が動いていることを検知すると、自動的にカメラが記録を開始し、シャッターボタンを押すとその直前の3枚も同時に記録として残す、という機能。シャッターボタンを押した瞬間の1枚と合わせて4枚の写真が残るので、その中からベストショットを選ぶことができる。

カメラを被写体に向けて、カメラが動きを検出すると記録を開始する。人や動物だけでなく、風で揺れる花も認識したのは意外だった。再生画面で「ベストショットを選択」をタッチすると、4枚の写真から気に入った写真を選べる

スマートフォンカメラはシャッタータイムラグがあるし、突然の動きに対応するのは難しいので、ここぞというときにシャッターボタンを押してもタイミングが遅れてしまいがち。先読み撮影を使えば、そうしたタイミング遅れを救出できる可能性が増える。

こういうマクロ撮影だと、風に揺れてピントがずれたり、ぶれたりしてしまうので、意外に便利かもしれない

噴水の動きも検知して先読み撮影。ちょうど頂点に水の玉ができた瞬間が撮影できていたので選択

先読み撮影はプレミアムおまかせオートで自動的に動作し、カメラが動きを検出すると記録を開始する。カメラを固定した状態で動きを検出すると記録を開始するようだが、不規則な動きだと検出されないのか、画面内に動きがあれば必ず記録されるわけでもないようだ。

その辺りのアルゴリズムは検証できなかったが、先読み撮影は「自動」設定にしておけば、いざという時に便利そうだ。

ただし、撮影中カメラの温度が上がったということで、先読み撮影機能がオフになってしまった。動きを検出すると自動的に撮影を開始するため、温度が上昇しやすいのだろう

そのほか、レーザーAFセンサー、先読みオートフォーカス、RGBC-IRセンサー、4K動画の撮影、5軸手ブレ補正などの機能は継続。1920万画素のフル画素を使って撮影する場合でもすべての撮影機能が使えるようになった。

おなじみの背景ぼかしアプリを搭載。ほかのスマートフォンのようにデュアルカメラでボケを生成しているのではないので、多少不自然なところもある