HTC U11のプロダクトデザインを指揮した本社のインダストリアルデザイン部門アシスタント・バイスプレジデントのJohnson Chiang氏に、HTC U11に採用した「Liquid Surface Design」のコンセプトやその魅力を訊ねることができた。

HTC本社のプロダクト部門の責任者、Johnson Chiang氏

Chang氏は「ガラスという素材の魅力を活かしながら、水面に映りこむ光のきらめきをスマホのボディで再現すること」がテーマだったと振り返る。マテリアルの特徴を徹底的に探求した結果、蒸着プロセスによる着色コーティングを組み合わせ、ガラスパネルで光を反射あるいは屈折させながら取り込むことで、複雑に変化する"色の魔法"をリアパネルで再現することに成功している。

フロントガラスも全てのエッジとコーナーを丁寧に処理しながら曲げ加工を行っている

スマホの本体素材として相応しい強度も追求。1枚のフラットな強化ガラスの板を500度の高音で加熱した後、エッジとコーナーを20回にも及ぶ丁寧なプロセスで曲げ加工を施すことによって、手触りのよい形にしていった。

サファイアブルーは光にかざすと差し色に紫や緑などが入ってくる

最も難しかったポイントは「4つのコーナーを立体的に曲げることだった」とChang氏が語る。これを実現したことによって、本体の前面から背面、コーナーにかけてすべてのサーフェスが一体であるかのようにつながるフォルムに整えることができたという。片手持ちのフィット感も心地よいコンパクトなきょう体に、可能な限り大きなディスプレイを搭載することができた理由もここにある。

コーナーのガラスを曲げるテクニックを確立するのに苦労したとChiang氏が振り返る

そのリアパネルの繊細な色合いが、実機写真でもうまく伝えられないのがもどかしいところだが、その独特な高級感はHTCが辿り着いた究極のフラグシップモデルと呼ぶのに相応しい仕上がりであると感じた。日本発売が決定した際には、ぜひ店頭などで出来映えを確かめてみてほしい。

HTCのコーポレートカラーでもあるレッド系の「ソーラーレッド」。日本にもぜひ導入して欲しいところだが