F8の基調講演でARへの取り組みを語ったマーク・ザッカーバーグ氏は、AR活用について、3つの手法に整理していた。これは非常に分かりやすかったので、ここでご紹介しておこう。
まず1つ目は、情報表示だ。
ARを活用する上で、最も未来的でわかりやすい例が、見ているものの情報や解説、ナビゲーションなどを実際の映像に重ねて表示する機能だ。歴史的な建造物にカメラをかざすと、その建物の名前や歴史が表示されたり、蝶にカメラを向けるとその名前が分かったりする、といった例が含まれる。
2つ目は、デジタルオブジェクト。
ティム・クック氏もザッカーバーグ氏も興味を示していたのが、2016年の大ヒットゲーム、ポケモンGO。AR体験を一般化したとの評価も一致している。ポケモンGOは、カメラで映した実写の中にポケモンがいる、という表現上のAR以上に、普段過ごしている街にポケモンが隠れている、というゲームのシステムが、AR的だったという。このように、場所に自由に物体を配置したり、メモを貼り付けたりする活用例を示していた。
3つ目は、装飾。
現在顔にマスクをかけられるアプリ「SNOW」が人気で、Facebookは既に同種のアプリ「MSQRD」を買収済みだ。リアルタイムの映像にフレームをかけたり、人の顔の部分を動物に変えて動かしたり、といった装飾は、カメラの楽しさを拡げるという。Facebookは、写真やビデオの撮影だけでなく、ライブ配信に対しても装飾を施せるデモを披露していた。
Facebookは、ARをプラットホーム化するにあたり、前述の活用例を開発者やデザイナーがデザインできるツールを提供し、ユーザーによるAR体験を、ゲームやマーケティングに活用できるようにしようとしている。