充実したゲーミング & OC向けフィーチャにも注目

LED発光機能は「必要ない」あるいは「あまり好みではない」という人もいるかもしれないが、現在、ゲーミングマザーボードでは必須の機能となっている。BIOS設定でオフにすることも可能なので、不要な方はここで切り替えるのがよいだろう。

さて、MSIではLED発光機能を「Mystic Light」と呼んでいる。そして、現行世代のMystic Lightでは、「Sync」機能が追加されている。マザーボードや、ピンヘッダから追加ができるLEDリボンだけでなく、そしてMSI製品だけでなく、MSI以外のメモリメーカーやケースメーカー、キーボード・マウスメーカーなど主要なゲーミングブランドが販売しているLED搭載デバイスなども単一のMSI製ユーティリティから制御できるとされる。さすがに対応機器は限定されるようだが、オリジナルPCを組む際のパーツ選択のポイントになるのではないだろうか。

LEDリボンテープを加えてケース内部を照らすこともできる

この端子にフルカラーLEDリボンを接続すれば、統合ユーティリティのGaming AppからLEDの発色を制御できる

ネットワーク機能はIntel「I211AT」、オーディオ機能はRealtek「ALC1220」を採用している。ネットワークがKillerではなくIntel製チップなのはTitanシリーズの伝統だろうか。

ネットワークチューニングを行なう「GAMING LAN MANAGER」をバンドル。ネットワークを使用するアプリケーション毎に設定が行える

オーディオ機能は7.1ch対応のHDオーディオチップに、マザーボード側回路とは独立させた回路や左右音声でPCB基板のレイヤーを分けた回路設計、そしてオーディオプロセッサ、日本ケミコン製オーディオコンデンサ、ヘッドホン専用アンプなどを加え、さらにソフトウェアの「NAHIMIC Sound Technology」から味付けができる構成となっている。

AUDIO BOOST準拠のオーディオ機能を搭載

NAHIMIC Sound Technologyをバンドル

ゲーム中、音のする方向を耳だけでなく視覚的に表示する機能もある

VR Boostは、ハードウェアとソフトウェア両面で、VRに最適化できる機能だ。まずはハードウェア。グラフィック用の機能というよりはUSBの機能である。VRゴーグルでは、自由に移動することが想定され、長いUSBケーブルを用いているが、この長いケーブルに対して信号の信頼性を高める機能となる。

USBの信号を補正し、VRヘッドセット用の長いケーブルでも安心して利用できる機能がVR Boost

一方でソフトウェア側のOne click VRはパフォーマンス調整ユーティリティになる。ON/OFFというシンプルな操作によって、主要なハードウェアとソフトウェアを、VR向けのパフォーマンス設定へと切り替えることができるとされる。

One click VRはGaming Appに統合されている。本当にボタン1つ

ボード上のOC機能は、同社のハイエンドマザーボードではお馴染みのボリュームつまみ「GAME BOOST」。OCナシの0から11ステージまでが用意されており、ステージに応じてOC設定が適用される。BIOSやソフトウェアからOCすることも可能なので、好きな方を選べる。

ボリュームつまみで簡単にOCできる「GAME BOOST」。組み込み後でもギリギリ調節可能な位置にあるが、可能なら組み込み前に事前テストをしておこう

POSTコード表示パネルも搭載しており、POSTプロセスで現在どのステージを行っているのかが把握できる。これに加えて、もうひとつ「EZ Debug LED」が、問題箇所の特定に役立つ。こちらはCPU、DRAM、GPU、BOOTという4つのLEDに分かれており、現在何をチェックしているのか、その箇所が光る仕組みだ。

POSTコードを表示するLCDを搭載しているので、ブートプロセスのどのタイミングでトラブルが生じているのか分かる。ただしPOSTコードの意味を調べる必要があるので、この下のATX24ピン付近にある「EZ Debug LED」がより分かりやすいだろう

まだ最適化を進めている段階のAMD AM4プラットフォームでは、BIOSを更新する機会が多いだろう。現在はUSBメモリから更新することが主流だ。MSIではBIOS FLASHBACK+機能を備えており、電源を繋いでBIOS FLASHBACK+ボタンを押せばCPUそのほかの部品を搭載しなくてもBIOS更新ができる。ほか、BIOS画面から更新することもできるので、システムの状態に応じて最適な手段で更新すればよい。

CPUを搭載していない状態でもBIOS更新が可能だ

オリジナリティあふれるハイエンドゲーミングPC自作に最適

X370 XPOWER GAMING TITANIUMはこうした豊富な機能を備えつつ、独特のシルバーカラーやLED電飾で見た目にも特化したゲーミングPC自作に向いている。フラグシップだけに高価格帯のモデルだが、Ryzen 7 1800Xに関してはCPU性能でLGA2011-v3に対抗できることはベンチマークレビューが示しているとおり。ハイエンドゲーミングPCを狙うなら、本製品が有力な選択肢になるだろう。