老後の医療費に備えるには
それでは、老後の医療費にはどのように備えればいいのでしょうか。年齢を増すごとに医療費は増えていきますが、高額療養費制度によって、さほど自己負担が掛かりません。ただし、70歳以上の高額療養費制度の上限額が引き上げられていることからも、今後ますます高齢化が進むことで、財政負担は重くなっていくと考えられます。
こうした不安から、医療保険に加入して、一生涯の入院保障を準備する人も多く見られます。注意したいのは、先述のデータにもあるように、医療費は入院よりも通院の方が多くかかる点です。それに加え、最近では高齢者の入院が増えたことで、入院期間が短縮される傾向もあります。まだ入院していたくても退院せざるを得ず、在宅で治療を続ける高齢者も多いのです。このような傾向を考えると、通院に備えて貯蓄をしておくと、精神的にも安心と言えるでしょう。今から老後の医療費のためにできることは、健康を心がけることはもちろん、コツコツお金を積み立てていくことが重要です。
病気やケガはいつでも心配なものですが、老後となればなおのこと。少しでも安心して老後生活を暮らせるよう、今のうちから医療費の準備を進めておきましょう。
筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。