同一プラットフォームの利点

まず、世界初だという同一プラットフォームでの電動パワートレイン展開には、どういうメリットがあるのだろうか。決算説明会に登壇したホンダ代表取締役副社長執行役員の倉石誠司氏によると、プラットフォームを共通化することで部品や生産ラインなどを共有できるので、クルマを作る際のコスト低減であったり、生産効率の向上につながるのだという。

ホンダの倉石副社長

次に気になったのは、ホンダが発売するPHVとEVが、両方ともセダン型であるということ。米国ではセダン型からSUVを含むライトトラック系に需要がシフトしていると聞くが、その市場にホンダはセダン型エコカーを投入する。そのあたりについて倉石副社長に聞いてみると、SUV型EVもニーズによっては検討していくが、SUVはクルマが重くなる分、バッテリーの減りも早いとのことだった。

最後は価格の勝負に

最後に、ホンダのPHVとEVは米国で売れるのだろうか。報道陣と倉石副社長のやり取りを聞いていると、ホンダはクラリティシリーズを4年で7万5000台販売する計画らしいのだが、なかなか意欲的な感じのする数字だ。

どうやって米国市場にアピールするか問われた倉石氏は、「(クルマの)安心感などを訴求していく必要があるが、最後は価格」と指摘。クルマの魅力を訴求し、十分にスペースがあるところなども知ってもらいつつ、最終的には顧客が求める価格で提供することが必要になると語った。価格といえば、米テスラが発売を予定するセダン型EV「モデル3」は3万5000ドルで航続距離が345キロだという。このあたりと競合するのであれば、攻めた価格を設定する必要があるだろう。