解凍メニューの充実に驚く
もっとも驚いたのは解凍機能だ。一般的に、冷凍した肉をレンジで解凍すると、肉の端に火が通ってしまったり、ドリップが出て旨みが逃げてしまったりという問題がある。筆者もこれまで何度も失敗してきたこともあり、レンジでの解凍は敬遠しがちだった。しかし、MRO-SV3000は違った。
まず、メニューを見ていただきたい。解凍ボタン一発じゃないのだ。MRO-SV3000は、薄切り肉、ひき肉、刺身など、肉・魚の特性や形状にあわせた細かいメニュー設定ができる。
解凍にはコツがいる。説明書によれば、「ラップを外し、発泡スチール製のトレーにのせるか、オーブンシートまたはペーパータオルを敷いた上に食材をのせる」とされている。ラップを外すのは、スチームで食品を解凍するからだ。
また、温度制御の際に重量センサーで食品の重さをはかるため、「陶器や耐熱皿を使用すると解凍しすぎになる」と記載されている。今回は、ひき肉と薄切り肉の解凍に挑戦した。
解凍した薄切り肉で野菜巻き
今回は、買ってきた薄切り肉を3日間冷凍したもので解凍を試したところ、170gでおよそ2分30秒前後の解凍時間だった。火が通っているところもなく、きれいに解凍できている。解凍後は、薄切り肉を1枚1枚きれいにはがせた。肉が複数重なった4枚目は半解凍状態になっていたが、それでも比較的スムーズに肉が広がり、冷蔵で保存したように扱いやすい。
ひき肉でも試してみた。解凍すると、温まらず柔らかい仕上がりに。先ほどの薄切り肉と同じく、冷蔵した肉のように扱いやすい。そのままこねてハンバーグを作った。
この解凍の仕上がりは、冒頭で挙げた4つの特徴のうち、「トリプル重量スキャナー」と「センター赤外線スキャナー」による「Wスキャン」の実力だろう。冷凍肉の解凍はこれまで、(原始的にも)冷蔵庫や流水を使っていたので時間がかかったが、MRO-SV3000なら短時間ですぐ使える状態に解凍できる。日々の食事の準備だけでなく、お弁当の準備にも重宝しそうだ。