京都大学発の電気自動車(EV)ベンチャーであるGLMは、日本初の量産EVスーパーカー「GLM G4」を発売する。目指すは“EV版フェラーリ”とぶち上げた同社だが、本当に注目すべきは、EV製造と並行して準備を進めるもう1つのビジネスモデルなのかもしれない。
和製テスラにあらず
GLMは現社長の小間裕康氏が京都大学大学院の2年だった2010年4月に立ち上げた企業。最初に開発したスポーツカータイプのEV「トミーカイラZZ」は、小阪金属工業(京都府舞鶴市)の専用ファクトリーで本格的な量産を開始している。第2弾となるのが今回発表となったGLM G4だ。
GLM G4は最高出力400kW(540馬力)、最大トルク1000NmのEVスーパーカー。最高速度は時速250キロで、100キロまでの加速に要する時間は3.7秒だ。量産開始は2019年で想定価格は4000万円。製造は日本と欧州の2拠点体制で、仕向け先は日本国内、欧州、香港、中国とする。目標販売台数は1000台だ。EVで気になる航続距離は400キロとなっている。
EVベンチャーといえば米テスラが思い浮かぶが、GLMもフォロワーの1社に過ぎないのだろうか。新車発表会に登壇したGLMの田中智久取締役は、「和製テスラ」と呼ばれることが多いと認めつつも、むしろ同社が目指す方向性は、高付加価値の車両を提供する「EV版フェラーリ」だと明言した。
それにしても、なぜEVでスーパーカーを作るのだろうか。