完全に新しいフォームファクターだとアピールされるGalaxy S8/S8+だが、縦長ディスプレイのメリットは、縦に長いWebサイトやSNSのタイムラインの閲覧が快適になるという点と、動画視聴時により没入感を得られる点が強調された。指紋センサーが背面になった代わりに、虹彩認証や顔認証機能が搭載され、セキュリティポリシーに応じて選択できるようになっているのも見逃せない。

縦長のディスプレイによって表示できる情報量が増加

動画再生時の没入感も向上

ホームボタンが物理ボタンではなくなったが、センサーを配置しており、押した強さによって動作が変わるなどの工夫が盛り込まれた

前面に虹彩センサー、背面に指紋センサー

さらに顔認識も搭載し、複数のセキュリティ機能を利用できる

見た限り、顔認証は非常に高速に識別してロック解除が可能だが、一般的にセキュリティレベルはやや下がるとされている。現時点で詳細は確認できなかったが、写真などを使って解除できてしまう可能性もあり、認証速度とセキュリティレベルで判断するといいだろう。心配な場合はこの中で最も安全とされる虹彩認証を利用することになる。インカメラの辺りを見だけでロック解除され、速度も十分許容範囲。

問題点は、従来のデザインから一気に変更になった点だ。もともとGalaxyはそれほど端末デザインの継続性は重視されておらず、新モデルの度にケースなどは流用できなくなるので、従来通りと言えばそれまでだが、「縦長」デザインは今後も継続していく必要がある。

縦長スマートフォンは定着するのか

同社はディスプレイの左右が曲面となるエッジディスプレイを長く継続してきた。エッジディスプレイの継続によって、本体デザインやエッジ部の利用方法も洗練されてきている。今回採用された縦長ディスプレイも、継続することでアプリやサイトなどがこれを利用した新しいインタフェースなどを開発してくるだろうし、スタンダードとしての定着を目指して欲しいところ。関係者も、やるからには継続するとも語るが、もちろんユーザーから全く受け入れられない可能性もある。個人的に使った限りは持ちやすく見やすく、縦長は基本的に歓迎すべき流れに思える。とはいえ、これが定着するかは今後の展開次第だろう。

コンパクトデジタルカメラが陥ったカメラの画素数競争は、スマートフォンカメラでも同じ流れになりそうだったが、これもSamsungのデュアルピクセル技術投入による画素数を抑えたカメラでも、使い勝手さえ良ければ受け入れられることが分かった。同様に縦長ディスプレイが市場に受け入れられるかどうかも注目したい。