既報の通り、韓国Samsung Electronicsは、スマートフォンの新製品「Galaxy S8」「Galaxy S8+」を発表した。縦長のディスプレイやホームボタンの排除など、デザインを一新した意欲作だ。しかし、今回Samsungがアピールしたのは、新スマートフォンだけではなかった。

会場となったニューヨークのリンカーン・センターにあるディヴィッド・ゲフィン・ホール

初めて物理ホームボタンを省略

今回の発表会のキーワードは「Unbox your phone」。ベゼルを極限までなくし、さらに18.5:9という縦長のアスペクト比を採用したGalaxy S8は、確かに新時代を思わせる新たなデザイン。LG電子がLG G6で縦長(18:9)を採用したため、縦長というだけではインパクトが薄いが、Galaxyとしては初めて物理的なホームボタンを廃し、感圧式のホームボタンを採用したほか、従来から採用するエッジディスプレイに加え、背面も同様にカーブさせたことで、より持ちやすさが向上した。

披露されたのは2つのGalaxy。5.8インチのGalaxy S8と6.2インチのGalaxy S8+

ディスプレイサイズは従来よりも大型化したにもかかわらず、縦長ディスプレイによって横幅が短くなるなど、もはやディスプレイサイズでは語れない領域に入ってきた。ディスプレイ大手でもあるSamsung、LGがそろって縦長ディスプレイを採用したため、今後スマートフォンで縦長が一般化すると見られ、未来のスマートフォンに先鞭をつけた、と言っていいだろう。

Galaxy S8を発表するDJ Koh氏

モバイル部門トップのDJ Koh氏が「スマートフォンの新時代のデザイン」と胸を張るのは事実だろう。実際、今後iPhoneを含めて追随する可能性は高く、スマートフォンは細長くなると考えられる。もともと、携帯電話は細長だったのが、ディスプレイサイズを確保するために横が広くなり、そして再び縦長に戻っている、ともいえる。

1980年代からの携帯電話のデザインを紹介。2000年代のスマートフォンのデザインから、さらに次の時代のデザインとしてGalaxy S8を位置づける