VR向けには、より没入感を高めるために映像、サウンド、インタラクション(反応)の3点で機能を向上させた。

これには例えば、グラフィックスのレンダリングを25%向上させ、HDR 10への対応、ネイティブのDSD音源の対応、6軸のモーショントラッキングなど、さまざまな技術を組み合わせることで、人の動きに合わせて正確に景色が動き、よりリアルなサウンドがきちんと音の発生源から聞こえ、手の動きに合わせてVRコンテンツ内で動ける、といったさまざまな体験が可能になる。

より没入感のあるVRを実現するために必要な機能と、それを実現する技術

すでに対応を表明しているVRゴーグル

デモ機。カメラやセンサーによって周囲の状況を認識して映像と組み合わせたり、目の前で手を動かしてそれを動作に反映させたりできる

6軸のモーショントラッキング、手の動きの検出で、VRへの没入感を高める

サウンド面では、Apstec Audio Codecを搭載し、ネイティブのDSD音源、384kHz・32bitのハイレゾ音源をサポートする。Bluetoothで高音質再生が可能なaptX HDにも対応。デモでは、ハイエンドDACとの視聴比較も。聞き比べた限りは、まだまだDACの方が高音質に聞こえたが、それに迫る音質を実現していた

ほかにも、WCD9335 Audio Codecを利用したUSB Type-C接続のノイズキャンセリングヘッドホンのリファレンスモデルも展示されていた

カメラ機能は認識性能や画質がアップ

カメラ機能では画像処理の信号を担うDSPが進化し、被写体の認識性能や画質の向上などが図られた。スマートフォンでもデジタルズームが使われる例が多いが、最近は2つのレンズを併用して疑似的に光学ズームを実現する機種も出てきている。こうした場面でよりスムーズにズームできるようになったという。

オートフォーカスは像面位相差AFやデュアルピクセルCMOS技術によるAF、低照度時のレーザーAFなど、複数の技術を併用してより高精度かつ高速なAFを実現した。動画向けには電子式手ブレ補正のEIS3.0を搭載したほか、ジャイロセンサーによってピッチ、ヨー、回転の各ブレを抑え、さらにローリングシャッター歪みも低減。夜景のような低照度かつ明暗差の激しいようなシーンでの色再現性の向上も図ったという。

EIS3.0のデモ。写真だと分からないが、手ブレが良く抑えられていた

画質評価を行うDxO Mark Mobileのテストでトップ15位のスマートフォンのうち、10製品がSnapdragonを使っている、とRoberts氏は強調。カメラ画質に関してもSnapdragonが優れているとアピールする。

AF性能を向上させるハイブリッドAF

Snapdragonを採用したスマートフォンの画質評価が高い点をアピール