デスクトップ型ゲーミングPCはそれこそBTO専売メーカーから有名メーカー製までさまざまだ。ノート型よりもハイスペックな構成にしやすいとか、個性的なデザインをとりやすいといったメリットがある一方で、ボディが大きいため狭い部屋には置きにくい、というデメリットもある。
PlayStation 4などの家庭用ゲーム機並とは言わないまでも、ハイパワーで場所を取らないゲーミングPCはないものか……と悩んでいた諸兄にぴったりなのがMSIの「Trindent 3 VR7RC(以降Trident 3)」だ。
すでに海外では発売済のモデルだが、間もなく日本に上陸する予定だという。メーカー渾身の省スペースゲーミングPCはどの程度使えるのか? 先行して早速テストしてみたい。
ブックサイズのコンパクトなボディ
Trident 3の基本スペックは、CPUにIntel Core i7-7700、GPUにNVIDIA GeForce GTX 1060 6GBという組み合わせ。省スペースとはいえモバイル用でお茶を濁さず、ちゃんとデスクトップ用のプロセッサを使用している点はポイントが高い。さらにメモリは16GB(DDR4-2400)、ストレージは256GBのSSDに1TBのHDDと、ハイエンドではないがコスパの良いものを選りすぐっている印象だ。
これらの要素を約W354×D98×H251mmのブック型スリムボディに凝縮しているのがTrident 3最大の特徴だ。現行の据え置き型家庭用ゲーム機(PS4など)に比べるとだいぶ大きいが、机の上に置いても圧迫感のないデザインは秀逸。本機にはスタンドが付属しており、縦置きも横置きも可能という点も強調しておきたい。
Trident 3本体の同梱物。縦置き用スタンドにACアダプタ(出力約230W)、それにフロントVR用の超短HDMIケーブルとなる |
海外ではTrident 3にゲーミングキーボードとマウスをバンドルしたものが販売されているが、今回の評価機もそれに倣ったものだった。これは評価機に同梱されていた「Inerceptor DS4200」。英語配列&RGBバックライト装備だが、発光色は固定のタイプ |
ちなみにキーボードはメンブレンタイプなのでタッチは柔らか。Cherry MX互換のキーキャップを使用する設計だ |
こちらはゲーミングマウス「Interceptor DS B1」。左右対称型なので左利きでも使いやすいゲーミングマウスだ。内部にバラストを仕込むことで重量をある程度調整できるようになっている。解像度は最大1600dpiだ |
Trident 3のフロントにはUSB3.1 Type-C(5Gbps)のほか、VRヘッドセットが楽に設置できるようフロントHDMI出力が用意されているのが面白い |
Trident 3の背面。有線LAN(Killerではなくインテル製ギガビットイーサ)や4基のUSB2.0ポートがあるが、注目して欲しいのは図中央付近にある「VR Link」と書かれたポート |
同梱の超短HDMIケーブルを使い、グラフィックボードのHDMI出力をVR Link端子に接続すると、フロントのHDMI出力端子が利用可能になる。力業の解決だが、グラフィックボードに妙な専用設計を必要としないぶん、将来より強力なものに交換できる可能性がある点は評価したい |
省スペースボディを採用しているため内部構成はかなり独特なものになっている。ケースの中にアクセスすることは可能だが、中のハードを交換・増設するのは少々骨が折れることだろう。このあたりは割り切るしかないが、よほどコアな使い方をしなければ標準構成のままでも十分性能は確保されている。
本体カバーを解放したところ。マザーは一見Mini-ITXのようだが、フロントパネル用USBが直接基板に実装されていたり、PCI Express x16スロットが水平に出ていたりするので、特別設計であることは明らかだ。CPUクーラーがブロワー式、メモリがSO-DIMMと(デスクトップPCとしては)珍しい組み合わせになっている |