足場固めの半年
この半年間に行ってきたことも、安定的な通信サービスの提供、LINEアプリを介した「いつでもヘルプ」というユーザーサポート体制を整えて運用を開始したことといったように、MVNO事業を運営する上での足場固めに過ぎない。
攻めの部分で言えば、特定のアプリの利用に際しての通信量をノーカウントにするカウントフリーの対象や関連プラン(LINE MUSICも対象とする料金プランの新設)を増やしたことくらいだ。大きく出ることはなく、着実に事業を営んできたのがLINEモバイルの今なのである。
2016年11月にInstagramを、2017年2月にLINEアプリにおけるニュースタブの画面表示もカウントフリーの対象に。2017年1月にはLINE MUSICもカウントフリー対象とする料金プラン「MUSIC+プラン」を新設 |
今後のサービスにも目新しさはない
着実さはこの先も同じかもしれない。発表会において、今後はサービス、タッチポイント、プロモーションの3つを注力していくと公言したが、そこにも目新しさはない。
サービス面では、初夏をメドに通話定額オプションの提供、他社の音楽配信サービスもカウントフリー対象に加えるといった強化を図る。タッチポイントについては、リアル店舗での受付に対応し、即日開通を可能とし、早期に100店舗体制にもって行く。プロモーションでは、女優ののんさんを起用したTVCMでLINEモバイルの認知を拡大させる。
LINEが提供予定のサービスの詳細は不明であるが、通話定額はすでに他社で存在しているし、サービス面でLINEらしさや新しさは感じられない。タッチポイントも他社は先行して整備を進めており、自前の店舗を持つなどして注力している。TVCMも他社はすでにバンバン行っている。のんさんを起用した理由として「全世代に受け入れられる」としており、広範にサービス認知を図ろうとする意図はわかるが、それは他社とて同じだろう。
一連の取り組みを総括すると、LINEモバイル自体、そんなことは思ってもいないだろうが、結果的に他社の後追いになってしまっている。こう記すと、なんだかアンチな見方をしていると思われそうだが、筆者の真意はまったくの逆だ。