ロボットのセールスには押し売り感がない
セールスについては、ソフトバンク仙台六丁の目店・ショップディレクターの濱田茜子氏から導入状況が説明された。同店ではPepperをユーザーへの会員登録の呼びかけや、新商品、新サービスの説明に利用している。濱田氏によれば、プリペイドカードの「ソフトバンクカード」の成約数は、Pepper導入前と比べて1日あたり2.1倍、中には5倍以上の成約数を記録した日もあるという。
濱田氏はPepperによる成約数の向上について、「人間だとどうしても『押し売り感』が出てしまって心理的ハードルが上がるが、Pepperなら警戒されることなく、ユーザーが受け入れてくれる」と分析。今後はPepperがより多くの商品を提案できるように用途を広げていきたいとした。
また、全国に1万2000店舗以上を展開する家電量販店の最大手であるヤマダ電機でも、2016年からPepperを販促ツールとして活用する実証実験を進めている。この中で、Pepperに商品説明やクーポン発券を行わせたところ、1日あたりの売り上げが導入前の3倍以上になるなど、顧客のエンゲージメント率(接客的な反応を示す割合)は着実に高まっており、Pepperの販促・マーケティングツールとしての効果を実感しているという。
一方で、比較的高額な商品になると人間の接客の方が効果を発揮しているという。ロボットが接客に当たっている場合、押し付けがましさがないぶん、低額なものはすんなりと受け入れてしまうのかもしれないが、ある程度高額なものについては、まだまだ対人の説明の安心感、信頼感のようなものが強く作用するのだろう。