至上を求めるならアリ。ただし従来GPUの値下げやライバルの動向も気になるところ
GeForce GTX 1080 Tiは、NVIDIAの主張どおり、GeForce GTX 1080に対して30%前後の向上を実現したことを確認できた。つまり、GeForceにおける最上位GPUが書き換わったわけだが、GeForce GTX 1080ユーザーが乗り換えるにはややスパンが短い。
もちろん資金をGPUにつぎ込むハイエンドユーザーなら乗り換え必至だが、もう少し堅実なユーザーとすれば、電源要求まで大きく変わる乗り換えは躊躇しそうだ。やはり同じ250W級のTDPだったGeForce GTX 980 Tiや780 Tiユーザーのマイグレーション向けといえるのではないだろうか。
想定価格は699ドル。つまり日本市場の初値では10万円超、その後も10万円前後になることが予想される。とはいえ、GeForce GTX 1080当時も同じくらいだったと思えば、GeForce GTX 1080 Tiが特別に高いというわけではないだろう。
一方、NVIDIAからはGeForce GTX 1080において値下げや、メモリを強化したOCモデル「GeForce GTX 1080 11Gbps OC」を投入することが発表されている。GeForce GTX 1080搭載カードも製品によってはかなり値ごろ感がある。また、「GeForce GTX 1080 11Gbps OC」のパフォーマンスに対する期待も高い。
おそらく、2017年前半の市場投入が予告されているAMDの"VEGA"を見据え、先手を打ったものと思われるが、それにしてもなかなかワクワクする内容とラインナップだ。世代としてはPascalのままなのだが、GeForce GTX 1080 Tiは、グラフィックスカードへの注目度をさらに上げるきっかけになるだろう。
ただ、グラフィックスカードの価格も最近値上がり傾向にある。全体的にもう少し落ち着いてくれることを望みたい。