クルマの充電事情は変えられるか

ただし逆に、その車庫に充電設備が用意されているかどうかという点については、発表会では言及がなかった。PHVは家庭や会社で充電できてこそメリットがある。車庫事情に恵まれない日本は、この点で不利になる。

そんな中で、日産が現在、リーフを対象に用意しているプランは参考になるのではないかと思っている。 そのプランとは、全国に5,600基以上ある急速充電器が、月会費2,000円(税別)で充電し放題になるというもの。今、リーフを新車で買って申し込むと、このプランが2年間無料になるという。

筆者も先月、このプランを取材で使ってみた。近距離を乗るだけだったら、あまりバッテリーは減らないので、たまに食事や買い物をしながら急速充電器で充電をするだけで走り続けることができた。

プリウスPHVのバッテリー容量は、満充電で280キロ走行できるリーフに比べれば小さいので、急速充電だけですべてを電動走行にするのは難しいかもしれない。けれど、自宅や会社に充電設備がない人でも、ある程度はPHVのメリットが享受できるサービスとして、価値があると思っている。

日本でPHVの普及を後押ししそうなプリウスPHVだが、どのように充電するかという点が課題となるかもしれない

当面の注目は、このプリウスPHVがどれだけ売れるか、アウトランダーPHEVの台数を上回るかに掛かっているけれど、個人的には、これを契機としてトヨタグループ、日産/三菱グループともにPHVのラインナップを増やしていってほしい。それによって、集合住宅にも充電設備を付けようという動きが活発になるかもしれないからだ。