チルド輸送と店内カットが鮮度の秘密

次にテーブルに運ばれたのが、ミスジステーキ。外側はカリッと焼きあげられているものの、中はとても柔らかい食感だった。

中はとても柔らかなミスジステーキ

圧巻だったのが、店の代名詞でもある塊肉のステーキだ。ナイフを入れると、赤身肉が顔を覗かせる。この店では、チルド輸送と店内カットによる鮮度保持がなされており、ローストビーフと見間違うほどのレア・ステーキを提供することが可能なのである。

こんなに大きいと、食べ進むうちに食感が鈍ってくるのではないかと懸念したが、それを察知したのか1つの小皿がテーブルに届いた。中は醤油とわさびだ。好みにより付けることで、新しい食味を感じさせてくれるという。試しに付けてみたところ、口の中と舌がリフレッシュされた印象を受けた。「このわさびに何か秘密があるのか」と問うてみたところ、「市販のものを使用している」と打ち明けてくれた。さもありなん。肉のうまみを改めて感じさせるためのわさびと醤油。肉が主役だから、なるべく控えめであることが肝要ということなのだろう。

圧巻の塊肉ステーキ

有機野菜も強みに

肉だけでなく、にくスタは看板に記載がある通り、サラダバーが売りのひとつだ。オーガニック野菜を含む15種類以上を自社農場、契約農家などから集めているという。なるほど、単なる野菜ではなく、中には有機野菜のコーナーもある。サラダバーにはトングやアイスクリームディシャーなど、取りやすい道具が添えられており、サラダを盛り付けしやすい工夫が見え隠れする。

有機野菜が食べられるサラダバーも売り物の1つだ

有機野菜と表示するためには、いろいろと規格がある。巷には無農薬野菜とか減農薬栽培とうたう野菜が並んでいるが、有機野菜と名乗るためには農林水産省の定める基準を満たすことが必要。この基準を満たすには、土からこだわる必要がある。

さて、ここからは新業態にくスタに込められたワタミの思いを分析していきたい。お話を伺ったのは、レストラン事業部・業態企画の馬越誠志郎氏だ。