チラシ作成に威力を発揮する「きまるフレーム」

次に、一太郎2017の新機能である「きまるフレーム」を紹介しよう。きまるフレームは、チラシに示す日時や場所など、目にした人にアピールするためのフレームやデザインを容易に適用する機能だ。

200点のフレームデザインで書類作成を支援する「きまるフレーム」

一見すると目新しさを感じない機能だが、会報や申込書などの書類を作成する利用者なら、どれだけ便利か理解できるはず。例えば、日時情報は目立つように書体を大きくするといった操作は、過去の一太郎シリーズでも可能だったが、個別に作成し、テンプレートとして保存する必要があった(文書を作成する都度、特定部分の書式を変更してもよいのだが、それでは面倒)。

文章にフレームを挿入した状態。後は日時など必要な部分を告知内容に応じて書き換える

200点のフレームデザインを持つ「きまるフレーム」機能を呼び出すことで、テンプレート内容を用途に応じて書き換えれば、文書を作成する時間を大幅に短縮できるのは大きい。使用頻度の高いフレームはユーザー登録が可能なため、連絡先や名前など決まった部分を入力して「ユーザーフレーム」に登録すれば、色々な書類を作成する際も便利だ。

利用頻度の高いフレームは変更した内容をそのままに「ユーザーフレーム」として登録可能

今回は「一太郎2017」の機能にしぼって紹介してきたが、「一太郎2017プレミアム」であれば、フォントワークス製フォント(10書体)や電子辞書・辞典、音声読み上げ精度を向上させた「詠太7」など多くのデータ、アプリケーションが付属する。

さて、最後に一太郎シリーズの方向性について少々。正直に述べると、今後ワープロソフトの市場シェアが、20数年前のように「一太郎一色」となることはまずないだろう。それでも、既存ユーザーの利便性を考えつつ、定期的に改良を加えた新バージョンがリリースされる一太郎シリーズは実に頼もしい存在だ。今回の一太郎2017が、過去のシリーズを使う利用者にとって魅力的なバージョンに映るかどうかは分からない。しかし、一太郎が、このままワープロソフトとしての完成度を高めていく方向性にブレはないだろう。

阿久津良和(Cactus)