地元に愛されて30年の人気スポット

日本生命札幌ビルのレストラン&ショッピングゾーン「NOASIS(ノアシス)3.4」地下の店舗

最後に紹介するのは、札幌駅から徒歩3分の「立ち呑み処 酔円(すいえん)」だ。約30年前に「立ち飲み居酒屋 味の笛」の店名で開業し、地元のサラリーマン層に親しまれてきた。2009年に新築ビルに移転してからも、つまみが200円から豊富にそろう庶民の味方であり続けている。

わずか10秒でビール1杯を飲み干して帰る人もいれば、1人で時間をつぶしに立ち寄る人、顔なじみと話し込む人もいて、最高齢の常連客は99歳だという。幅広い客層に愛される雰囲気の良さは、旅行客や女性の1人客にも評判だ。札幌駅と大通を結ぶ「札幌駅前通地下歩行空間(愛称チ・カ・ホ)」に直結し、アクセスの便利さも見逃せない。

新潟の地酒の品ぞろえに注目

飲み物のメインは、店主が若い頃から大好きだという新潟の酒。蔵元直送の「越の白鳥」(350円)をはじめ、「緑川」「越乃景虎」「菊水」「麒麟山」「越川」(いずれも500円)、「雪中梅」「〆張鶴」「八海山」「久保田」(いずれも600円)と、おなじみの銘柄が勢ぞろい。純米酒の「越後鶴亀」「峰乃白梅」「上善如水」「吉乃川」は500円、名酒「越乃寒梅」も700円という安さはありがたい。

寒い日は熱燗(あつかん)もいいが、真冬に暖かい店内でくつろぎながら、キンキンに冷えた酒で喉をうるおすのも北海道ならではの楽しみだ。生ビール(350円)のほか、専用ディスペンサーを使い-2℃~0℃の温度で提供する「スーパードライ・エクストラコールド」「ドライブラック・エクストラコールド」(各400円)、「フリージングハイボール」(380円)もあり、氷点下の喉越しが体験できる。

天井が高く開放感のある店内。鮭と蟹の精巧なペーパークラフトが飾られている

北海道の魚介もワンコイン価格

つまみのイチオシは、「いか一夜干し」(500円)だ。肉厚のイカは食べごたえがあり、日本酒にもビールにも合う。この1品に焼き鳥3本と枝豆、「越の白鳥」またはビール1杯がつく「酔円セット」(1,100円)も、かなりお得感があってうれしい。

そのほかにも、北海道らしい「氷下魚(コマイ)焼」「手作り塩ザンギ」(各350円)から、串ものや揚げ物、冷ややっこ、板ワサなどの居酒屋メニュー(各200円~)、隠れ人気の「特製カレー」(500円)まで、約40種のフードがそろう。

「軽く飲んで食べて1,000円以内」がウリの店だが、あれもこれもとつまみながら、つい長居してしまいそうだ。店内に「2時間以上滞在のお客様には、次のお客様に席をお譲り頂きます様、お声をかけさせて頂く事もあります」との注意書きがあるくらい居心地がいいので、飲み過ぎには注意した方がいいかもしれない。

カウンターには、買ってすぐ食べられるタイプのフードも並ぶ

●information
立ち呑み処 酔円(すいえん)
住所: 北海道札幌市中央区北3条西4丁目 日本生命札幌ビルB1F
営業時間: 15:00~23:00、土曜15:00~22:00
定休日: 日曜日、祝日


雪国の札幌では、リーズナブルな立ち飲み店も暖房完備で快適。冬の乾燥した空気のせいか、冷えたビールがいつもよりおいしく感じる。氷点下の街を歩き回った後に、冷えきった体を熱燗で暖めるのも快感だ。

※記事中の情報・価格は2017年1月時点のもの。価格は全て税込