「千歳鶴」の多彩な日本酒がよりどりみどり
2件目は、札幌駅から徒歩3分の「蔵元直営 鶴の蔵」を紹介しよう。札幌駅地下のショッピングモール「アピア」から、複合ビル「アスティ45」を通って中小路に出ると、オフィスビルの一角に明るいオレンジ色ののれんが見つかる。
明治5(1872)年創業の札幌の地酒「千歳鶴」の蔵元直営の立ち飲み店とあって、日本酒の品ぞろえの良さに目を奪われる。
蔵元限定の生酒を専用サーバーで提供
純米酒に吟醸酒、本醸造、辛口、甘口、超辛と、種類も味わいもよりどりみどりの品書き。そこから1杯選ぶとしたら、まずは蔵元限定の新鮮な生酒がいいだろう。純米吟醸を氷温熟成させた「蔵出し 吟風 樽生酒」(432円)は、生酒を酸素に触れさせずに樽詰めし、日本酒専用の生酒サーバーで提供。搾りたてのすがすがしい香りを堪能できる。
"日本酒マニア垂涎(すいぜん)の逸品"と言ってもいいレア物の新酒もある。「千歳鶴」六代目杜氏・市澤智子さんの杜氏(とうじ)就任第一号酒「純米 新酒しぼりたて」(648円)は、札幌近郊の米どころ・新十津川町産の酒造好適米「吟風」の新米を100%使用。芳醇(ほうじゅん)な香りと深みのある味わい、さらりとした口当たりが高く評価されている。
また、「千歳鶴」直営店限定の裏メニュー「生貯蔵原酒 もうひとつのしぼりたて」(648円)は、フレッシュな風味をより強く感じられる逸品だ。300本限定というごくわずかな製造量だが、「運が良ければ2月まで飲めるかも……」とのことなので、もし在庫があったらすかさず注文を。
軽く飲みたい時なら、「なまら超辛」の吟醸酒・純米酒・本醸造各1杯がセットになった「千歳鶴 三種飲みくらべセット」(842円)や、400円以下の飲み物1杯と料理1品が選べる「鶴蔵セット」(745円)もオススメだ。
北海道らしい山海の幸をつまみに
酒のさかなでは、沖漬け・めふん(鮭の腎臓の塩辛)・ホヤの「珍味三点盛り」(734円)がイチオシ。また、和洋の食材が意外に合う「マスカルポーネと酒盗」、十勝・清水町産のニンニクを丸ごと揚げた「にんにく揚げ」や「道産姫こまい」「近海いかの一夜干し」と、いかにも日本酒の名脇役然とした品もワンコイン価格で気軽に注文できる。
そのほか、卵かけごはんや焼きおにぎり、和洋中をリーズナブルに味わえる季節の黒板メニュー、乾きもの系のつまみなども選べ、予算とおなかの空き加減に合わせて、思い思いの楽しみ方ができる店だ。
●information
蔵元直営 立ち飲み 鶴の蔵
住所: 北海道札幌市中央区北4条西5丁目 日本生命北門館ビル1F(別棟)
営業時間: 16:00~23:30(L.O.23:00)、土曜16:00~22:30(L.O.22:00)
定休日: 日曜日、祝日