Microsoft EdgeのEPUBリーダーがオーディオブック化

本ビルドはPCゲーム以外にも多くの変更が加わっている。まず、Microsoft EdgeはEPUBリーダーとして利用する際、音声による読み上げ機能が備わった。よく「耳で聞く~」といったオーディオブックが売られているが、それをMicrosoft Edge単体で行うのが本機能である。英語はもちろんだが今回は日本語にも最初から対応しているため、試しに青空文庫からEPUBファイルをダウンロードしたところ、小説の文章をそのまま読み上げていた。オーディオブックのように流暢な声とはいいがたいものの、OSが備える音声合成エンジンをこのように流用するのは面白い試みといえよう。なお、Microsoft Edge固有機能としてはWebサイト上で用いた絵文字がフルカラー表示になっている。

Microsoft EdgeでEPUBファイルを開くと現れる<Read aloud>ボタン

ボタンをクリックすると、音声によって文章を読み上げてくれる

Microsoft Edge上の絵文字も更新された(公式ブログより抜粋)

OSビルド15002から着手しているOOBE(Out-Of-Box-Experience)の改善だが、Microsoftは改めてプライバシー、Wi-Fi、Microsoftアカウントの3分野について改善を行っていると説明した。プライバシー関連については別記事で紹介しているので割愛するが、Wi-FiはCaptive Portal機能のサポートを指している。Captive Portalは喫茶店やホテルのWi-Fiホットスポットに接続する際、Webブラウザーなどで利用条件への同意や認証を行う仕組みだが、本ビルドからOOBEプロセスの時点でこの仕組み対応するという。また、Microsoftアカウントはサインインのプロセスを改善し、手順を簡易化するというもの。本ビルドのISOイメージは公開されておらず、OSビルド15002では、同様の仕組みを確認できなかったので、公式ブログが用意した画像をご覧頂きたい。このほかにもWindows Helloによる音声操作や、Cortana音声の更新、字幕のサポートなども行われる予定だ。

左下にあるリンクをクリックすることで、そのままMicrosoftアカウントによるサインインが可能になると思われる(公式ブログより抜粋)

直近のビルドから搭載したブルーライトカット機能だが、正式名称は「Night Light」になるという。本機能についてもいくつかのバグ修正が行われた。まずアクションセンターのクイックアクションから「設定」を呼び出すことが可能になり、スリープ状態から復帰する際も、ブルーライトカット機能が適用されるようになった。また、同機能有効時にエクスプローラーがハングアップする問題も修正している。筆者も早々に同機能を使っていたが、エクスプローラーに悪影響を与えていることは気付かなかった。ちなみに15000番台から発生していたエクスプローラー周りのトラブルは、本ビルドで一切発生していない。

「Nigh Light」という名称になったブルーライトカット機能

個人的に興味深いのが、Hyper-V仮想マシン接続のウィンドウをリサイズした際、ゲストOSに対して解像度を自動調整する新機能だ。仮想マシンにWindows 10 Insider Preview ビルド15014をインストールして動作を確認したところ、スムーズに解像度が切り替わり、適切な操作が可能になることを確認した。特に高解像度ディスプレイ上で仮想マシン接続を行うと、あらかじめDPI設定を変えなければ操作もままならないため、個人的には非常にありがたい。これらの機能を有効にするには拡張セッションが必要だが、Windows 10 バージョン1607をインストールした仮想マシンに対して行ったところ、正しく描画されない問題が確認できた。拡張セッションがオフの状態であるチェックポイントに戻すことで問題を回避したが、本機能を利用するにはOS側の対応も必要だ。

仮想マシン接続ウィンドウを小さくした状態。アイコン名などの大きさが際立つ

ウィンドウサイズは横長など必要に応じて自由に変更できる

その他の変更点として本ビルドでは、「Windowsストア」からファイルをダウンロードする際の進捗状況をアクションセンターの通知にも表示させ、「設定」の<更新とセキュリティ/Troubleshoot>の新設や、<Mixed Reality>の設定項目拡充、高DPIのサポート向上が行われている。MR(仮想現実)と名称を変えたのはMicrosoft HoloLensの存在が大きく、その詳細はパートナー企業からリリースされる安価なVR(仮想現実)/MRヘッドセットディスプレイを待たなければならないが、設定項目を徒然と眺めるとWindows 10 Creators Updateの完成が待ち遠しい。

アクションセンターの通知にも進捗状況を示すプログレスバーが加わった

新たに加わった「設定」の<更新とセキュリティ/Troubleshoot>

<ホログラフィック>から改称した<Mixed Reality>。以前より設定項目が増えている