初めて挑戦した作詞に込められたアニメと声優への想い

――松井さんの「三河」への想いをひしひしと感じました。続いてはアルバムの後半、9曲目の「Don’t let me down」です。

この曲は歌詞にすごくパワーがあって、応援歌のような曲に仕上がっています。でも、誰かに伝えたい、君を応援したいということではなく、自分を鼓舞する曲だととらえて、私は歌いました。

――そのようなとらえ方をされたのには何か理由が?

きっとこの曲は、明るさ全開で「あなたを応援したい!」という気持ちを込めて歌っても成立すると思うんです。でも、頑張っているときに頑張れって言われるのって、つらいときもあるじゃないですか。だから、頑張れの押しつけにならないように、嫌味なく気持ちを伝えられないかと思って、自分を鼓舞するというとらえ方にいきつきました。聴く人によっては、「この歌詞でこの表現方法くる?」というテイストになっていると思います。

――そのとらえ方・表現方法に松井さんの「優しさ」を感じました。続いて収録されている「シネマ」は切ない歌詞の曲ですね。

歌詞をいただいたときに衝撃を受けた曲です。いなくなってしまった人のことを歌っているということがありありとわかる歌詞だったので、どう解釈すればよいか悩みました。ただ、これだけストーリー性のある歌詞なので、それを大事にして歌おうと、自分の心のままに気持ちを込めて歌わせていただきました。

――松井さんがこの曲をライブでどのように表現されるのかも楽しみです。続いてお伺いする「ユメキセツ」と「声」は松井さんが作詞された曲ですが、作詞は今回が初めての経験でしたか?

はい、初挑戦でした。膨大にある言葉の中から何を選び、限られたリズムのなかに何をはめようかなというのが、すごく新鮮で楽しかったです。声優も言葉を使う仕事なので、勉強にもなりました。

――作詞されるとき、誰かにアドバイスを聞きに行ったりはしましたか?

特になかったですね。「ユメキセツ」については先に作曲していただいたので、曲を聴いて想いを馳せながら作詞しました。曲調がメルヘンぽいところがあると私は感じたので、歌詞にもファンタジックな言葉を当てはめていきました。でもこの歌詞には実は、裏テーマがありまして……。

――裏テーマ?

これを言ってしまうとイメージが崩れちゃうかもしれないのですが、実はワンクールのアニメが終わる悲しさも歌詞に込めているんですよ(笑)。

――えっと……(笑)。

好きなアニメに出会ったものの、放送が終わってしまうと好きなキャラクターにもう会えない、その悲しみを極限まで綺麗にしたらこうなるだろうという想いを歌詞にしました。例えば、2番の"最後の歌が流れてる"という部分。これは最後のEDテーマが流れていてもう君には会えない、けど私は2期を待っているよといった意味が込められています。

――そういう目線でいくと"君の笑顔が 宝物だよ"という歌詞にもメッセージが込められているように感じてきました(笑)。

そうですね、これは何より推しキャラの笑顔が宝物っていう歌詞になります……ひどいな(笑)。

――何というか、さすが松井さんです!

やっぱり私らしさもちょっとはあったほうがいいなと思いまして。でも裏テーマを意識しなければすごくいい曲なので、ぜひ聞いてくださいね!

――裏テーマまでお話いただき、ありがとうございます。アルバム収録曲もラスト、もう一方の作詞された楽曲「声」についてもお伺いできればと思います。

この曲は私が声優としてお仕事してきたことの集大成を歌詞にしています。今までの声優活動において、私は自分の想いを言葉にする必要はあまりないと思ってきました。それがあることでキャラクターの役柄を狭めてしまうと思ったし、受け取っていただく方に委ねたいという気持ちが強かったので。

もちろんインタビューなどで聞かれたことに関しては私の考えをお伝えしてきましたが、あまりごちゃごちゃ言うのも違うかな、と思っていました。だって表現したことがすべてだから。

――なるほど。

今までこういう気持ちで仕事をしています、という想いを口にしたことは殆どありませんでした。でも、曲が付くことによってこの想いが多少マイルドになって皆様にお届けできるのではと思って、素直な気持ちを詞にさせていただきました。そこに近藤さんが曲をつけてくださり、いまの形となりました。

――私がこの曲を聴いて印象に残ったのが「ヒーロー」というワードでした。曲の随所で使われている「ヒーロー」という言葉にはどのような想いが込められているのでしょうか?

「ヒーロー」は万人を救えるような存在だと思うんです。でも声優としての私単体の力って非力で、とても「ヒーロー」なんかじゃない。それでも、声優として誰かに何かを伝えられたらいいなという想いはあるんです。

本当にできることは少ないんですけど、もし、私の声を聞いて元気が出た、悩んでいたことが薄くなったと思っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。そう思ったときに、「ヒーローになんてなれないけど、寄り添って歌いたい」っていう歌詞が自然と出てきました。

――松井さんの演技や声に救われている人はいっぱいいると思いますよ。

本当に恐縮です。ありがたいお言葉です。

松井恵理子、第二部も頑張ります

――アルバムのことだけでなく、松井さんが声優にかける想いや活動するうえで大切にされていることもお話いただき、ありがとうございます。アルバム発売に続いて、3月にはバースデーファーストライブも開催されると思いますが、どのようなライブにしたいですか?

楽しい時間を皆様と共有したい、共有できるステージにしたいと思っています。でも楽しみ方って人それぞれだと思うので、いろいろな方が楽しめるライブになればいいなと思っています。そういう方々と作る景色がどういうものになるのか、今から楽しみです。また、もう二度とはやってこない時間が共有できることを大切にして、歌いたいと思います。あとはやっぱり「感謝」を込めたいと思います!

――舞台でのパフォーマンスに定評のある松井さんのライブ、そしてアルバムの発売を楽しみにしている方も多いと思います。

あの……こんなことを言うのはおこがましいかなと思うのですが、ここまでお話ししてきたアルバム一曲、一曲に関する想いを私個人としてはあまり押しつけにしたくありません。そもそも、私が込めたものって別に伝わらなくても構わないかなと思っています。音楽に対する解釈は人それぞれだとも思うので……。

今回のアルバムは私が主張したいというよりは、それぞれの方が何か感じ取ってくれて、ふとした瞬間に聴こうかなと思ってもらえるようなものになればいいなと思っています。

――解釈は人それぞれだから楽しみ方も人それぞれ。この点に関して松井さんは一貫していらっしゃいますね。

私としてはいままでやってきたことの集大成をアルバムに詰め込みました。まさに、松井恵理子の第一部「完」といった感じです(笑)。この集大成を皆様がどう解釈してくださるのか、それをどう共有できるか、とても楽しみです。

――第二部も楽しみにしています。

はい! 第二部もがんばります(笑)。

松井恵理子メジャーデビューアルバム『にじようび。』

●初回生産限定盤 価格: 4,500円(税抜)
内容: CD(11曲収録)+Blu-ray(「デッサン」MV、松井恵理子がアルバム全曲のイメージイラストを描く!映像特典)
●通常盤 価格: 3,000円(税抜)
内容:CD(12曲収録)
●収録曲 1.ワスレモノ 2.G.I.R.L. 3.理想ラビリンス 4.デッサン 5.ココニアルモノ 6.Tsubaki 7.子猫のRuby 8.じゃんだらりん 9.Don’t let me down 10.ユメキセツ(通常盤のみ収録) 11.シネマ(初回盤はトラック10) 12.声(初回盤はトラック11)

初回生産限定盤(CD+Blu-ray)

通常盤(CD)

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