サムスンがSiriの開発者が創業した企業を買収
モバイルにAIを導入する流れは、2017年以降も加速していくだろう。そもそもスマートフォン向けOSで圧倒的なシェアを占めるAndroidがバージョンアップすることで、多くのスマートフォンにGoogleアシスタントが導入されていけば、それだけでAIを利用する人が大幅に増えることとなる。
もっとも、Googleアシスタントを世界展開する上では、各国での言語対応が欠かせないのも事実。日本でもPixelは発売されておらず、最近までGoogleアシスタントが利用できなかった。だがグーグルは2016年末に、メッセンジャーアプリ「Google Allo」を日本で先行してリリース。Alloを通じて日本語でのGoogleアシスタントの利用が可能となったことから、2017年以降の本格展開が期待されるところだ。
また2017年に、モバイルとAIの関係をより近づける可能性を示す事例として挙げられるのが、スマートフォン大手のサムスンが、AIを開発するVivを2016年10月に買収したことだ。VivはSiriを開発したメンバーが創業した企業で、より高い性能を持つAIのアシスタントを開発しているとされているが、そのVivをサムスンが買収したことで、サムスンの新機種にVivが開発したAIが搭載されるのではないかという報道が一部でなされている。
サムスンは2016年、「Galaxy Note 7」の発火事故でユーザーからの信用を大きく失ってしまった。それだけに新機種では、VivのAIに起死回生を託す可能性も十分考えられ、2017年はAIの動向を占う上でも、サムスン新機種の動向が大いに注目されるところだ。
ソフト・サービスの面でも、2017年にはAIの利用が進んでいくものと見られる。中でも先に触れたチャットボットに関しては、2016年にフェイスブックやマイクロソフト、そしてLINEなどのメッセンジャーアプリを提供する多くの事業者が、チャットボットを開発しやすくするための仕組み作りを進めてきたことから、2017年にはそれらを活用したチャットボットが大幅に増えるものと予想される。