24時間周期の体内時計をコントロール?

今回のHue ホワイトグラデーション シングルランプのコンセプトは「サーカディアンリズムのサポート」だという。サーカディアンリズムは、24時間周期の体内リズムのこと。

「日中は十分な光を浴びる一方で、夜はできるだけ明かりを浴びない方がいいと言われています。そこでフィリップスライティングは、照明が人体に与える生物学的影響を考えて作ったオリジナルのライトレシピを採用しました」(フィリップス ライティング ジャパン合同会社 マーケティング部 チャネルマーケティング マネジャー 追越隆則氏)

起きたばかりの朝は、寒色系で明るい、まぶしい光で脳内を覚醒させる。一方で夕方になると明かりの色を暖色系にして明るさも落とし、脳への刺激を和らげて睡眠へと誘う。

Hue ホワイトグラデーションでは、生活のシーンに合わせて4つの色合いが選べるようになっている

手軽・低価格から楽しめる照明の可能性

今回のHue ホワイトグラデーション シングルランプは、いわゆるHueシリーズのエントリーモデルという位置付けだ。できることはいわゆるLEDランプの調光・調色程度だが、その代わり価格が抑えめになっている。

ただし実は、この先がユニークで面白いポイントとなる。HueシリーズはHueブリッジ(今回発表されたスターターセットにも同梱)を利用すれば、スマホからコントロールしたり、セットした時刻に明かりを付けて目覚ましとして使うことも可能。アップルの「HomeKit」にも対応したため、iPhoneやiPadシリーズから音声コントロール機能「Siri」を使って音声で電気を付けたり消したり、色を変えたりすることもできる。

さらにIFTTT(IfThisThenThat)というWebサービスを利用すると、「ある地域の天気予報が雨だったらランプの色を変える」とか、「特定の人からメールが来たらランプの色でお知らせする」といった複雑な使い方もできるようになる。今回のモデルは白色のみなので色を自在に変えることはできないが、例えば朝は寒色系で明るく、夕方になったら自動的に色を暖色系にして明るさを落とすといった設定も可能になる。

LEDシーリングライトなら調光・調色対応のモデルが多数あるが、電球で使いたいというのであればこちらのモデルは選択肢として悪くないかもしれない。また、スターターセットから始めれば、1600万色もの色を選べる「Hue シングルランプ」へアップグレードして、さらにHueの世界をディープに楽しむこともできる。徹底的に使いこなすためにはいろいろなアイデアが必要になるかもしれないし、価格も決して安くはない。しかし、生活を彩るという意味ではなかなか興味深い家電の一つではないだろうか。