ユーティリティはSanDiskのDashboardと同等

WD Blue SSD(およびWD Green SSD)では、SSDユーティリティとして「WD SSD Dashboard」が用意されている。UIを見ればピンとくるかもしれないが、SanDiskの「SanDisk SSD Dashboard」と酷似したデザインだ。

これも同グループなのだから当然と言える。ただし、現時点では、WD SSD DashboardはWD製SSDのみが対象、SanDisk SSD DashboardはSanDisk製SSDのみが対象となるので、WDとSanDiskの混在環境を構築した場合、それぞれインストールする必要があるようだ。

レイアウトは「SanDisk SSD Dashboard」と同じだが、ちゃんとWDロゴの「WD SSD Dashboard」

WD SSD Dashboardの使い勝手は、すでにSanDisk SSD Dashboardで熟成されたUIであることからも、良好である。必要な情報には迷うことなくアクセスできる。ファームウェア更新などは当然。Secure EraseとSanitizeはツールタブ内にあり、USBブートディスクを作成して実行する。SSDに問題が生じた際、問題箇所の特定用としてサポートにメール送信するためのレポートを作成する機能なども統合されている。

ツールタブ内にあるSanitize機能。データドライブとして使用したが、なぜかUSBドライブを作成しなければSanitizeできない状況だった

まとめ - WDブランドを生かしてプロ/プロシューマにSSDの導入を勧める製品

WD Blue SSDは、おおむねメインストリーム向けとして標準的だか、トップスピードは良好な製品だ。ただし、性能のみを重視したモデルでないことは、TLCチップを採用している点で明らかだ。容量単価、転送速度、耐久性という、メインストリームにおける3つのニーズに対して「バランス」をとった製品と言えるだろう。

心強いのはSanDiskのSSDがベースとなる点だ。WDとしては初製品でも、グループとして捉えれば下地は十分と言え、新興メーカーが初めて投入する製品とは位置付けが異なる。

一方で、SanDiskブランドでも同じような構成、同じような価格の製品がある点で評価が難しい。WD Blue SSDは、やはりWD製HDDを使ってきたユーザーに対して、そのブランドを生かしてSSDの導入を勧めるポジショニングにあるのではないだろうか。

WDが発表会でも説明したとおり、映像プロフェッショナルのようなこれまで容量的にHDDが必須だった分野において、大容量で耐久性の高いSSDを提案するというシナリオなら筋が通る。

WDブランドのSSDとして第一歩を踏み出し、性能と価格のバランスが取れた製品を投入してきた点は評価できる。一方で、プロ/プロシューマはともかく一般コンシューマー向けには、HDDで培ってきたブランド力や信頼感に加えて、何かもうひとつX400 SSDにはない独自の「決め手」が欲しい印象だ。