Core iプロセッサならではの高パフォーマンス
本機のような超薄型モバイルノートPCの場合、Intel Coreプロセッサのうち、省電力なCore mファミリを採用することが多い。しかし、本機はより高性能なCore iプロセッサを採用している。今回試した上位モデルの場合、CPUに第7世代のCore i7-7500U(2.7GHz/最大3.5GHz)、メモリに16GBのLPDDR3-2133、ストレージにPCI Express 3.0 x4接続の512GB SSDを搭載していた。グラフィックスはCPU内蔵のIntel HD Graphics 620だ。
このクラスのモバイルノートとしては非常に充実した性能だが、実際のパフォーマンスはどれくらいなのだろうか? そこで、いくつかのベンチマークを実行して本機のパフォーマンスを測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
WinSAT.exeの結果の結果 | |
プロセッサ | 7.6 |
---|---|
メモリ | 8 |
グラフィックス | 6.3 |
ディスク | 8.25 |
結果を見ると、グラフィックス以外はいずれも7.5を超えておりモバイルノートとしては高めのスコア。グラフィックスもCore mプロセッサを搭載したノートに比べると高めの結果となっている。
続いて、CINEBENCH R15を試してみたところ、CPUのスコアが322cb、OpenGLが40.02fpsだった。従来のCore i7-6500Uを搭載したノートに比べてそれほど大きくスコアが伸びているわけではないが、同等以上の性能であることは間違いない。
続いてPCMARK 8 HOME ACCELERATED では、以下のようになった。
全体的に高めのスコアで、日常的な作業なら快適に行えることがわかる。Writingのスコアの良さを見ると、PCI Express 3.0 x4接続の高速なSSDを採用したこともパフォーマンスに影響しているようだ。
そこで、「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。シーケンシャルリードが1,000MB/sを超えており、思った通り非常に高速であることがわかる。
続いてグラフィックスの性能を見るため3DMARKを試してみたところ、次の結果になった。
3DMarkの結果 | |
Ice Storm | 52237 |
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Ice Storm Extreme | 40773 |
Cloud Gate | 5826 |
Sky Diver | 3456 |
Fire Strike | 822 |
Time Spy | 344 |
ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が3456、「Cloud Gate」が5826となり、CPU内蔵グラフィックスとしてはなかなかの好スコア。軽いゲームなら十分楽しめそうだ。そこで、ゲーム系のベンチマークも試してみた。まずドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは、次の結果になった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
低品質 | 1280x720 | 8448 | とても快適 |
標準品質 | 1280x720 | 6970 | 快適 |
最高品質 | 1280x720 | 4961 | 普通 |
低品質 | 1920×1080 | 4713 | 普通 |
標準品質 | 1920×1080 | 3875 | 普通 |
最高品質 | 1920×1080 | 3025 | 普通 |
ドラゴンクエスト程度なら、フルHDでもそこそこのクオリティで楽しめそうだ。さらに、FINAL FANTASY XIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編を試してみた。
FINAL FANTASY XIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 1280x720 | 5649 | とても快適 |
高品質(ノートPC) | 1280x720 | 3649 | 快適 |
最高品質 | 1280x720 | 2504 | 普通 |
標準品質(ノートPC) | 1920×1080 | 3051 | 普通 |
高品質(ノートPC) | 1920×1080 | 1957 | 普通 |
最高品質 | 1920×1080 | 1374 | 普通 |
フルHDの高品質で快適にプレイするには性能が少し足りないが、CPU内蔵のグラフィックスであることを考慮すれば十分な結果だと言えるだろう。
Core mではなくパフォーマンスに優れたCore i7を採用していることで気になるのが、発熱とバッテリ駆動時間だ。そのうち、発熱に関しては0.3mm厚の液晶ポリマーファンや0.1mm厚のフィンからなる新開発の冷却システムを搭載することで解決を図っている。システムに負荷がかかると内蔵ファンが回転して、排熱を行う。
Core mを搭載したノートはファンレスのものが珍しくないため静粛性という点では少々残念だが、ファンの風切り音は「サーッ」という小さなホワイトノイズのような音なので、静かな環境でもそれほど気にならない。ちなみに、本体内部の暖かい空気はヒンジ部に隠れている排気口から排出されるという。
もう一つのバッテリ駆動時間については、40Whの大容量リチウムポリマーバッテリーを搭載することで解決しているようだ。カタログスペックを見ると、バッテリはJEITA 2.0で約8.7時間の駆動が可能となっている。そこで、電源プランを省電力、画面の輝度を40%に設定して、バッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみたところ、9時間29分の駆動が可能だった(なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている)。これだけもてば、1日程度ならACアダプターなしで安心して使えそうだ。