アイケア重視で培ったノウハウは他社にも応用できる。M&Aやアライアンスを通じて広めていけばいい。これが新たなビジネスにもなっていく。
目の健康プラットフォーム構想と呼ばれるものがまさにそれであり、実際に実を結び始めた。同社は15日にメガネハウスの買収を発表。メガネハウスは富山県内に22店舗を擁するメガネチェーンで、屋号や店舗網を維持したまま、アイケア重視のビジネスモデルを展開し、共同購買や物流を行うほか、アイケア重視の店舗運営を行い相乗効果を図っていくという。
ブランドコンセプトが会社を形づける
一連の取り組みを経て、黒字転換を果たしたメガネスーパー。完全復活したと言い切るには早すぎるかもしれないが、アイケア重視の姿勢をもとに、顧客単価が向上し、事業の裾野も広がり、業績も回復しているのは事実である。サプリメントの販売、プラットフォーム構想の進展など、今後期待される事業もあり、うまく行っているように見える。
世の中には価格競争に巻き込まれ、サービスの差別化に苦しむ企業が多数ある。特に小売の場合は、そうなりがちだ。店舗から半径何キロメートル以内といったように商圏が限らてしまい、インターネット通販の拡大を目指そうにも、そこでは価格競争が待っている。おまけに大量の商品を仕入れる資金がない、など悩みも尽きない。
同社の事例は、そうした悩みを抱える企業にとって、サービスコンセプトをもとに、いかにビジネスを変えうるのかを知る手がかりになるのではないだろうか。