世代別検査やフィッティング、保証サービスなどに力を入れるメガネスーパー。これらは"アイケアカンパニー宣言"のもとに広がるサービスだ。アイケアに注力してから同社は大きく変わった。赤字続きから、2015年度決算で9期ぶりに黒字転換し、足元でも好調を維持する。アイケアカンパニー宣言とは何か、どうやって生み出したのか。

2015年度決算で9期ぶり黒字に。同社は変えたアイケアカンパニー宣言とは?

アイケアカンパニー宣言とは

メガネスーパーが掲げるアイケアカンパニー宣言。これは「人々を眼から元気にしたい。」をコンセプトに、長年培ってきた眼に関する知識や技術を活用し、目の健康寿命に関わるアイケアサービスや商品を提供していく取り組みだ。

このアイケアカンパニー宣言は他社との差別化を図るキーワードであり、9期ぶりに黒字転換を果たした理由を探る上で欠かせないものだ。同社のビジネスの根幹であり、利益の源泉となっているからである。

アイケアへの取り組みを重視するメガネスーパー。その考えのもとにトータルアイ検査、パーフェクトフィッティング、HYPER保証システムなどがある

メガネスーパーは近年まで非常に苦しい状況にあった。メガネ販売チェーンがメガネとレンズのセットで1万円を切る価格で販売しており、いかに量をさばくかが近年のメガネチェーンの売り方だった。その売り方にメガネスーパーも巻き込まれていた。その結果として、長年の赤字決算が続いてしまった。

変わり始めたのは、低価格路線をやめ、アイケアカンパニー宣言をしてからだ。方針転換は勇気のいることだが、何がきっかけで、同社は切り替えることができたのか。

方針転換をしたのは2年ほど前。「低価格路線では、もっと有名なチェーンに負けてしまう。しかし、差別化は必要だ。そう考え、メガネスーパーの強みを再考したところ、眼に関する知識が豊富な古参の社員が数多くいた。そこで、彼らの知識を生かし、徹底的に検査と加工と研究に特化しよう。そうすれば、新興勢力が出てきても追随されない」(星崎尚彦社長)。そうして生まれたのがアイケアカンパニー宣言というわけだ。