考えもつかない奇抜なことをやってくれる応用例
Raspberry Piの利用例として、教育用途と、応用例のハイライトも紹介された。教育用途では、まず「AstroPi」だ。ESAの宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに持ち込み、小学生が考案した実験を宇宙ステーションで行う。これは持ち込むまでの作業が大変だったそうだが、非常に成功しており、近くフランスの宇宙飛行士がまた持ち込む予定となっている。将来はNASAやJAXAとも手を組みたいとした。
イギリスでは、コンピューターサイエンス・カリキュラムに教師が対応するための「Pacademy」という教育プログラムを実施。2日間の講義とワークショップにて、教師へのトレーニングを行う。過去、イギリスで1,000名、アメリカで200名のトレーニングが実施された。これも将来、他国への導入を検討している。
欧州宇宙機関との連携で実現した「Astro Pi」。イギリス人の宇宙飛行士が国際宇宙センターにRaspberry Piを持ち込み実験を行った |
コンピューターサイエンスを教える教師向けのトレーニング「Picademy」。1,200名以上の教師に、2日間のトレーニングを実施 |
今年のプロジェクトハイライトは、キュウリの仕分け作業。Rasberry PiとGoogleのGensorFlow、そして7,000本のキュウリを使ってトレーニングした結果、70%以上の精度で仕分けることができた。
このように、Raspberry Piは発売から5年近く経過するが、プラットフォームとしてはまだまだ。教育マーケットや産業マーケットでやるべきことが多く、近い将来、世界で年間400万台、日本で20万台の売り上げが目標とのことだ。教育用と産業用の比率を聞いたところ、「100台以上のオーダーで販売代理店への卸(おろし)でないものを産業用」と判断すると、およそ半分が該当するそうだ。