Touch Barは従来のファンクションキーの位置に搭載されているため、マルチタッチに対応した滑らかな表面であったとしても、このバーの上で日本語の手書き入力を行うことはできないだろう。

Apple Pencilのペン先で書くのであれば、可能性がないわけではないが、キーが邪魔になるので実用性は低い。それならば、大型化されたトラックパッドの方が可能性があるだろう。

それよりは、もう少し別の用途が考えられる。

仕事でパソコンの日本語入力を使うとき、業務などでよく使う単語は、一文字目から変換候補が出せるよう、単語登録しておく人は少なくない。例えば「お」で「お世話になっております。」と変換したり、「か」で「株式会社〇〇」(自社名)を出せるようにしておいたり。細かいことではあるが、1日に何十回も入力する場面があるならば、明らかに時間短縮になるテクニックだ。

そうしたよく使う単語を、1タップだけで入力できたら便利ではないだろうか。しかも、アプリに応じて、必要な短縮入力の単語リストを入れ替えてくれても便利だ。例えば表計算アプリを使っているときに「お世話になっております。」と入力する可能性は限りなくゼロに近いわけで。

もっとも、ATOKの場合、過去の学習や連絡先、カレンダーのデータを用いて、「か」と入力すれば「株式会社」や、「か」から始まる登録されている人名、会社名を変換候補に提示してくれる。どちらかというと(無)変換選択よりは、入力中も予測候補を出してくれた方が便利なんじゃないか、と思うほどだ。