FREETELなどが開始し、「LINEモバイル」らが追従しているのが、特定のアプリの通信のみをパケットに課金しないで済ませるサービスだ。TwitterやFacebookといった人気SNSやポケモンGOのようなゲームをパケット課金対象から外すことで、トータルの利用料金を安くするというわけだ。値引きという体力勝負には変わらないが、純粋に技術力だけで実現する施策であり、メリットも強調しやすい。
ただしこのサービスは、通信対象を見分ける行為そのものが通信の秘密の保持に抵触する可能性がある、といった指摘や、LINEモバイルのような人気アプリの提供元自体が割引対象を決めるのは不公平ではないか、など、さまざまな懸念が払拭しきれていない。人気のサービスだけに、総務省などがどういった判断を下すかが注目されている。
端末も魅力のひとつに
端末の魅力もサービスの一種と数えてもいいだろう。MNOは最新鋭の端末を安価に購入できるよう、サポート割引制度などを使い、通信料金と端末代を一緒に払うことで端末が実質0円に近い価格で入手できるような、大幅な割引を適用できるようにしている。これがiPhoneなどの高級スマートフォンが日本でたくさん販売される要因だったが、総務省などから指導が入り、あまりに大きな値引きができなくなった。
MVNOの場合、SIMフリー端末が基本ということもあり、どこも同じような端末を扱う事態になっている。しかしそんな中でも、楽天モバイルが「ファーウェイhonor 8」を専売にするように、特定のMVNOでなければ手に入らない端末が登場しており、こうした端末と電話料金をセットにしたプランも登場している。MNOの販売方法と被っており、ある意味MVNOのMNO(キャリア)化という皮肉な見方もできるが、ユーザーにとってはわかりやすい販売方法がとられるようになったと言ってもいいだろう。
またFREETELのように、端末価格込みのプランに、自社販売のスマートフォンを一定期間の間自由に機種変更で選択できるサービスを用意したところもある。メーカーならではのサービスだが、機種変更後は前の端末の残債を支払わなくていい、という大胆なプラン内容になっており、画面のひびなどが気になりつつも残額があってなかなか機種変更できなかったユーザーにとっては嬉しいサービスだ。
第3ステージはMVNOごとの体力や特徴に応じて提供されるサービスも実に多彩であり、特にシェア上位を占める十数社の中ではかなり特徴がはっきり現れている。傾向としては、上位に行こうとすれば特徴的な一芸だけでは足りず、あれもこれもと、網羅的にさまざまなサービスを提供できるところがやはり人気を集めている、という点だ。これではMVNOのMNO化に他ならず、体力が低い下位のMVNOにとっては厳しいものがある。そろそろMVNOの合併・統廃合などが起き出すことになりそうだ。