ロボット掃除機のお手入れで面倒なパーツと言えば、サイドブラシもその1つだ。minimaruも、稼動後はそれなりに髪の毛が絡みついていた。minimaruは、サイドブラシを簡単に着脱できるのも特長だ。
ダストボックスの内側に格納されているメンテナンスブラシを取り出し、"柄"の先をサイドブラシの穴に引っ掛けると簡単に取り外せる。お手入れした後の取り付けも、彩度ブラシの穴の位置を合わせてはめ込むだけだ。「ゴミプレス」や「ブラシ自動おそうじ」とも合わせて、メンテナンス性は高い。こうした工夫はユーザビリティーという点だけでなく、性能と機能の維持、さらに故障を防ぐという意味でも重要なので、地味ではあるが評価したいポイントだ。
さて、minimaru(の次期モデル)で改善を望みたいのは、コード類に対する耐性。もちろん、取扱説明書にはコードなど引っ掛けやすいものを片付けてから動かすように書かれているが、ユーザーが気付いていなかったり、うっかり片付けるのを忘れてしまったりということは大いにあり得る。minimaruの充電台にも電源コードがあるため、できる限りハード側で解決してほしいところ。
minimaruはサイドブラシが長めで、本体の外側に出ている部分が多く、取り付け位置も少々高い。床との間にすき間が生じやすく、コード類を引っ掛けやすい構造だ。清掃能力との両立が難しいことを承知のうえでお願いすると、サイドブラシの逆回転でコード類が絡まりにくくしたりと、今後の進化に期待したい。
本体が小さいため、本体から出ているサイドブラシの部分が多い。そのぶん壁際や家具の足元に届きやすいのだが、コード類を引っ掛けやすいという一面もある |
サイドブラシと床面とのすき間も、コード類が引っ掛かりやすいところ |
高度なナビゲーションシステムなどでIT的な進化を遂げているロボット掃除機において、異なる方向性で進化を示した日立のminimaru。13年という長い開発期間をかけて追及していたのは、掃除機としての本質性能・機能であったことがよくわかる。
ロボット掃除機の市場は、元祖のルンバがけん引してスタンダードを作ってきたが、minimaruは新しい流れを示したと言ってもいい。日本では「小型」が強力な武器となるし、お手入れのしやすさにも見るべき点がたくさんある。現在、ロボット掃除機では後発となるminimaruが、今後の他社製品にどのような影響を与えるのかも興味深い。