東芝の平田代表執行役専務は、「映像事業においては、さらなる構造改革を実施する必要がある。いまは決定したものはないが、あらゆることを検討したい」と語る。
映像事業は、最大の商戦期となる年末商戦を迎えていることから、「まずは、年末商戦にしっかりと注力し、その結果、どこまで行けるかを見てから考えたい」と発言。年明けにも映像事業の構造改革が発表されることになりそうだ。
東芝は、今回の上期決算の席上で、新たに600億円の構造改革費用を計上することを発表しており、ここからも大規模な構造改革になることが想定される。
完全復活とは言えない……予断を許さない状況は続いている
東芝の構造改革は道半ばである。
株主資本比率は、円高により外貨換算調整額がマイナス948億円と悪化したため、2016年3月末に比べて、1.4ポイントの改善の7.5%に留まり、財務体質の改善も課題のままとして残っている。
「財務体質は依然として厳しい状況にある。引き続き重要課題に位置づけている」と、東芝の平田代表執行役専務は語る。
また、子会社である東芝EIコントロールシステムにおいて、約5億2000万円の売上過大計上があったことを発表。「統制機能が生かされた結果」と自己評価してみせるが、今後も、こうした「膿」が出てこないとも限らない。
回復基調に転じているのは確かだが、先行きの不透明感は拭い切れていないのが実態だろう。
「グローバルスタンダードといえる収益性を実現するには、下期にもう一段の改善策が必要。残っている不採算事業を中心にさらなる構造改革を進め、最後の仕上げにつなげたい」と東芝の平田代表執行役専務。
手綱を緩めずに、この勢いを維持した形で改革を遂行できるかが鍵になる。