使いやすい伝統のキーボードと便利な指紋センサー

ThinkPad X260は、12.5型の液晶を採用するモバイルノート。厚みは20.3mm、重量は約1.43kgとモバイルノートとしてはそれほど薄型軽量というわけではないが、ThinkPadらしい実用性の高さが最大の特徴といえる。

ThinkPadらしいシンプルなデザイン

天面にあるThinkPadロゴは「i」の電源がオンの状態だと赤い部分が光る仕掛けがある。スリープ状態だと点滅するなど、ノートPCの状況を確かめるのに役立つ

それを象徴するのが、使いやすいキーボードだ。キーボードのクオリティの高さは昔から定評があり、それだけでThinkPadを選ぶ人が多数いることは周知の事実。ThinkPad X260にも引き継がれており、かまぼこ形で中央がヘコんだ独特のキートップは実に打ちやすい。長時間の入力もストレスなくこなせる。

入力しやすいThinkPadキーボードはX260でも健在

なお、F1からF12のファンクションキーは音量や輝度の調整といった機能も割り当てられており、Fnキーとの組み合わせで利用できる。FnキーとEscキーを同時に押せば、その役割を入れ替えが可能だ。その場合は、各種機能をワンタッチで利用可能になり、ファンクションキーはFnキーとの組み合わせで使用する。このほか、直販サイトでの注文時にはバックライト付きのキーボードも選べる。暗い場所で作業する可能性がある人は検討してみるのもいいだろう。

FnキーとEcsキーの同時押しでファンクションキーを押したときの役割を変更できる

カーソルの操作用としてトラックポイントとタッチパッドの両方を備えているのもポイントだ。キーボードの中央部にある赤いトラックポイントもThinkPadシリーズの伝統といえるもの。文字を入力しながらスムーズに指先でカーソルを操作できるので、作業効率をグッと上げてくれる。また、ノートパソコンではおなじみのタッチパッドもあるので、好みや作業の内容で使い分けられるのも便利だ。

キーボードの中央付近にはトラックポイントを配置。クリックはスペースキーの下にある

タッチパッドも搭載

バックライトと同じく、直販サイトでの注文時には指紋センサーの有無も選択できる。個人的にはぜひとも搭載したいオプションだ。Windows 10には、生体認証でのサインインに対応する「Windows Hello」が搭載されているため。サインインオプションで、パスワードとPINを設定すると指紋の登録が可能となり、以後は起動時のロックスクリーン画面で指紋センサーに指をなぞるだけでWindows 10にログインできるようになる。セキュリティを高めて、しかもログインもスムーズになるといいことずくめだ。

指紋センサーはキーボードの右側に搭載される。指をスライドさせて指紋を認識するタイプだ

Windows Helloに対応しており、指紋を登録することで指紋によるログインが可能になる

インタフェースは、本体左側面に電源コネクタ、HDMI出力、Mini-DisplayPort出力、2基のUSB 3.0ポートを用意。右側面には、SDカードスロット、スマホなどの充電に対応したPowered USB 3.0、有線LANポート、マイク/ヘッドホン・コンボ・ジャックを備えている。最近のモバイルノートPCでは、インタフェース類が省かれる方向にあるが、ThinkPad X260ではしっかりと維持されており、既存の周辺機器もそのまま使える。また無線LAN機能としては、Bluetooth v4.1、IEEE802.11a/ac/b/g/nを用意と不足はない。

左側面には電源コネクタ、HDMI出力、Mini-DisplayPort出力、2基のUSB 3.0ポートを搭載

右側面にはSDカードスロット、スマホなどの充電に対応したPowered USB 3.0、ギガビットイーサ、マイク/ヘッドホン・コンボ・ジャックを用意

HDMIやMini-DisplayPortなど複数の映像出力があるので、大画面のディスプレイやテレビにも出力しやすい

搭載するバッテリーも選べる柔軟性

ThinkPad X260は使いやすさだけではなく、ユニークな点もある。それがバッテリー選択肢の多さだ。まず、底面のヒンジ部近くに配置されるリア・バッテリーは23.2Whの3セル、47Whの6セル、72Whの6セルの3種類が用意されている。後者ほどバッテリー駆動時間は伸びるが、6セルのバッテリーはどちらも厚みがあり、取り付けると本体に傾斜が付くことになる。リア・バッテリー-は取り外し可能なので、長時間の外出用に複数購入するのもアリだろう。

リア・バッテリーは取り外しが可能。写真は23.2Whの3セルバッテリー。底面がフラットになる

面白いのが、フロント・バッテリーを内蔵するかしないかを注文時に選べること。フロント・バッテリーは3セルで、取り外しできないが、3セルのリア・バッテリーと組み合わせて最大約11.4時間(公称値)と1日安心して持ち運べるレベルだ。

フロント・バッテリーを搭載した場合、底面に固定されており、交換はできない

その一方で、フロント・バッテリーを搭載しなければ、その分軽くなる。どちらを取るかはユーザーの使い方次第で、こうした部分も用途に合わせて選択できるあたりが、トラディショナルなThinkPadらしい良さといえる。

メモリスロットは1基だけ。容量を増やしたい場合は交換が必要となる

M.2スロットも存在している。ただ、サイズは一般的なType2280ではなく、奥行きの短いType2242だ。また、使用できるかは保証外なので注意してほしい

ACアダプタはコンパクトだが、厚みはけっこうある

液晶ディスプレイは、TN液晶の1,366×768ドット、IPS液晶の1,366×768ドット、IPS液晶の1,920×1,080ドットの3種類から選択できる。いずれも光沢のないノングレアなので、映り込みをきにせずに作業できる。TN液晶は角度によって色が変化しやすいので、色味を気にする人はIPS液晶を選ぶといいだろう。