コネクティッド戦略に3本の矢

友山氏はコネクティッドカンパニーの戦略として3つの矢を挙げた。全車コネクティッド化、新価値創造とビジネス変革、そして新たなモビリティサービスの創出である。

コネクティッド戦略で打ち出す3本の矢

第1の矢で掲げた全車コネクティッド化では、2020年までに日米で販売するほぼすべての乗用車にDCMを標準搭載するとともに、KDDIと共同でグローバル通信プラットフォームを構築する。車載OSにはAGL(オートモーティブ・グレード・リナックス)、スマーフォンとの連携では米Fordが提唱するSDL(スマート・デバイス・リンク)を採用することも明らかにした。

そのためのバックグラウンドとして、すでにトヨタはトヨタ・コネクティッド、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)という2つの新会社を米国に設立している。Microsoftと共同設立した前者は、ビッグデータの集約と活用、TRIは現地大学と連携して人工知能技術の研究・ 開発を行う組織だ。

第2の矢では、東京都心のリアルタイムの道路状況が紹介された。クルマのスピードが赤、緑、青などで表示されるので、どこがどの程度渋滞しているか手に取るように分かる。また札幌市の初雪の日のデータを活用すれば、凍結路面も分かる。このようにビッグデータはすでに実用段階に入っており、全国をカバーする交通情報センターになりつつあると友山氏は語った。

東京都心の道路状況を示す画面。この範囲にいるDCM搭載車の状況がよくわかる

第3の矢としては、トヨタスマートセンターの上位にMSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)を構築し、官公庁やライドシェア/カーシェア/タクシー事業者、保険会社などとの連携を図っていくことが表明された。トヨタはカーメーカーとしてだけでなく、モビリティサービス・プラットフォーマーとしても進んでいくと友山氏は明言した。

トヨタが目指すプラットフォーマーとしての姿