米国カリフォルニア州サンディエゴで11月2日から開催されたクリエイティブの祭典、「Adobe MAX」で、AdobeとAppleによるセッションが実施された。
10月27日に発表されたTouch Barを搭載する新型MacBook Proや、12.9インチのタブレットiPad ProとApple Pencilを展示し、クリエィティブの現場における、AppleのデバイスとAdobeのアプリケーションの親和性の高さをアピール。iPadでの作品制作にフォーカスした「Make it on mobile」という企画では、iPad ProとAdobeのモバイルアプリケーションで作られた作品がブックレットとしてコンパイルされていた。
Make it on mobileは、今年4月にニューヨークで開催された第1回目のワークショップからスタートした。4月21日からの2日間、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館に16名のアーティストが集まり、Adobeのモバイルアプリに関するレクチャーを受けて作品制作に臨む。日本からグラフィックアーティストの牧かほりさんも参加している。
ワークショップでは、1人に1台ずつiPad ProとApple Pencilが配られ、Adobe Photoshop SketchやPhotoshop Mixなどのモバイルアプリケーションに関するレクチャーが実施された。そして5時間ほどの制作を経て作られた作品が、Adobe MAXでブックレットとしてまとめられている。
ブックレットにはアーティストそれぞれの作品がプリントされ、その裏面にはアーティストのプロフィールとともに、どんなアプリを使って制作されたかが紹介されていた。AdobeとAppleがタッグを組んで、iPadなどのモバイルデバイスを活かしたクリエイションの可能性を模索する活動と位置づけられるだろう。
もちろんAdobeはMicrosoftとも、SurfaceをはじめとするWindows PC向けのペン型デバイスを活用した新しく生産性の高いクリエイティブの姿を体現している。しかしより手頃なデバイスであるiPadを利用したクリエイションは、プロフェッショナル向けはもちろんのこと、Adobeの戦略にとって非常に重要な部分を占める。