メイン機として使える性能の高さ
ThinkPadファミリーのなかでも本機はパフォーマンスを重視したモデルのため、基本性能はかなり高いうえに、CTOで選択できる項目も豊富だ。CPUは第6世代のIntel Coreプロセッサ、グラフィックスはCPU内蔵のIntel HD Graphics 520またはNVIDIA GeForce 930M、メモリは最大24GB、ストレージはSATA SSD、またはNVMe対応のPCIe SSD、ディスプレイはタッチ対応/非対応のフルHD(1,920×1,080ドット)、またはWQHD(2,560×1,440ドット)から選択できる。
評価機の場合、CPUはIntel Core i7-6600U(2.60GHz)、メモリは24GB(PC4-17000 DDR4 SDRAM)、グラフィックスはNVIDIA GeForce 930M、ストレージはNVMe対応の256GB PCIe SSD、ディスプレイはタッチ対応フルHDという構成だった。
インタフェースも充実し、3基のUSB 3.0に加えて、HDMIやMiniDisplayPort、有線LANポート、マイク/ヘッドホン・コンボ・ジャック、ドッキングコネクタを各1基備えている。
モバイルノートPCとしては非常に高い性能で、快適な動作が期待できるが、実際のパフォーマンスはどれくらいだろうか? そこで、いくつかのベンチマークを実行して、本機のパフォーマンスを測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
WinSAT.exeの結果 | |
プロセッサ | 7.6 |
---|---|
メモリ | 7.9 |
グラフィックス | 6.3 |
ディスク | 8.9 |
結果を見ると、いずれもモバイルノートとしては高めのスコア。特にディスクの速さが際立っている。続いて、CINEBENCH R15を試してみたところ、CPUのスコアが335cb、OpenGLが33.42fpsだった。Intel Core i7-5600UとIntel HD Graphics 5500を搭載した前モデルより、CPUは2割程度、OpenGLは5割程度スコアがのびている。パフォーマンスはかなり向上していると言えそうだ。
続いて、総合テストとして試したPCMark 8 HOME ACCELERATED では、下図のようになった。
本機と同じCPUを搭載した同クラスのノートと比べると、WritingとCasual Gamingのスコアがかなりよい。ここからもストレージの速さとグラフィックス性能の高さが伺える。
そこで次に、「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。シーケンシャルリードは2,000MB/s、ライトは1,000MB/sを軽く超えており、非常に高速であることがわかる。
さらにグラフィックスの性能を見るため3DMarkを試してみたところ、総合スコアは次の結果になった。
3DMarkの結果 | |
Ice Storm | 42695 |
---|---|
Ice Storm Extreme | 43103 |
Cloud Gate | 6178 |
Sky Diver | 4962 |
Fire Strike | 1247 |
Time Spy | 340 |
ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が4962、「Cloud Gate」が6178となった。CPU内蔵のIntel HD Graphics 520と比べると、いずれも少し高めのスコア。本機が搭載するNVIDIA GeForce 930Mはゲーム向けのグラフィックスではないが、軽いゲームなら十分楽しめそうだ。
そこで、ゲーム系のベンチマークも試してみた。まずドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは、次の結果になった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
低品質 | 1280x720 | 9324 | とても快適 |
標準品質 | 1280x720 | 8099 | とても快適 |
最高品質 | 1280x720 | 6784 | 快適 |
低品質 | 1920x1080 | 5989 | 快適 |
標準品質 | 1920x1080 | 4988 | 普通 |
最高品質 | 1920x1080 | 3794 | 普通 |
CPU内蔵タイプに比べると、やはりスコアは高めで、フルHDでも品質を落とせば快適にプレイできる結果となった。さらに、FINAL FANTASY XIV: 蒼天のイシュガルド(DirectX 11)を試してみた。
FINAL FANTASY XIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークソフト スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 1280x720 | 4660 | 快適 |
高品質(ノートPC) | 1280x720 | 3277 | やや快適 |
最高品質 | 1280x720 | 2205 | 普通 |
標準品質(ノートPC) | 1920x1080 | 2370 | 普通 |
高品質(ノートPC) | 1920x1080 | 1604 | 設定変更を推奨 |
最高品質 | 1920x1080 | 1176 | 設定変更が必要 |
フルHDで快適にプレイするには性能が少し足りないが、もともとゲーム向けのGPUではないことを考えれば十分な結果。CPU内蔵タイプに比べるとグラフィックス性能は間違いなく高いので、GPUを使う映像編集などのクリエイティブ系アプリではパフォーマンスに大きな差が出るはずだ。