薄型・軽量化がはかられて持ち運びやすく
レノボの「ThinkPad T460s」は、14.0型ワイドの液晶ディスプレイを搭載しながら、厚み16.9~18.8mm(最薄構成時)、質量約1.32㎏(最少構成時)を実現した薄型軽量ノートPCだ。前モデルの「ThinkPad T450s」に比べて厚みが4mm程度薄く、質量が200gほど軽くなっており、14型という比較的大きめの画面サイズでありながら持ち運んでの利用もしやすくなっている。今回試した評価機はタッチパネル対応ディスプレイを搭載しており、質量が約1.43kgと最小構成時より少し重くなっていたが、それでも前モデルよりは100gほど軽い。
これだけ薄く軽いと、日常的に持ち歩くモバイルノートとして積極的に外に持ち出したくなる。収納性もよく、天板も底面もフラットでムダな凹凸がないので一般的なブリーフケースなどにもスッキリ収まる。
フットプリントが大きいため、カフェや新幹線の狭い机の上で作業する際は少し窮屈さを感じるが、逆にプレゼンや打ち合わせなどで使用する際は画面サイズの大きさが生きてくる。特に本機の場合はディスプレイを180度開くことができるので、対面する相手と一緒に画面を見ながら意見を交わすようなシーンでは非常に使いやすい。
実際にさまざまなシーンで使ってみて便利だなと感じたのが「インテリジェント・クーリング」という機能だ。これは、本体が膝の上に置かれているときや手で持っているときにボディ表面の温度が上がりすぎないようパフォーマンスを自動で調整してくれるというもの。
電車の座席やホームのベンチなどではノートPCを膝の上に乗せて使うことも少なくないが、そんなときに役立つ機能だ。デフォルトではオンになっているが、設定画面でオフにすることもできる。
その効果を見るため、オン/オフを切り替えながら室内や出先で使用してみたが、オンのときは動画のエンコードのような負荷の高い処理をしていても底面がほとんどあたたかくならなかった。オフにしたときも不快さを覚えるほど熱くはならないのだが、オンのときよりは少しあたたかく感じた。
もっとも、オンのときはCPUのパフォーマンスが落ちるため、作業内容によってはオフのときより処理が完了するまでの時間が余分にかかってしまうことがある。特に動画のエンコードのように負荷の高い処理は差が出やすい。逆にビジネス文書の作成やメール作成などの軽めの作業の場合は、処理速度の差を感じることはあまりなかった。
ちなみに、「インテリジェント・クーリング」をオンにしている場合、膝上か机の上かをセンサーで検知しているようで、膝上の場合は自動的に「クール・モード」に、机の上で使用する場合は「高パフォーマンス」になる。そのため、通常はオン/オフを手動で切り替える必要はなく、常時オンにしたままでOKだ。
モバイルノートとしてガッツリ使う際はバッテリー駆動時間も気になるところ。本機の場合、バッテリーはJEITA 2.0で最大約10.3時間の駆動が可能となっている。そこで、電源プランを省電力、画面の輝度を40%に設定してバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみたところ、7時間30分の駆動が可能だった(なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている)。
なお、カタログスペックの10.3時間というのは、あくまでも最大値で、本体構成によっても駆動時間は異なるとのこと。評価機はタッチ対応のフルHD液晶にCore i7-6600Uという組み合わせだったが、タッチ非対応のフルHD液晶やCore i5-6200Uなどを選べばもう少し駆動時間は伸びると思われる。いずれにしろ、半日~1日程度ならACアダプタなしで安心して使えそうだ。