プロによるハイクォリティな番組作りも

2016年10月には、メディアやビデオクリエイターなど一部のTwitterパートナー向けに、よりハイクォリティな中継が可能な「Periscope Producer」の提供が開始された。モバイル端末に限らずプロ向け撮影機器やストリーミングソフトウェアといった外部ソースからの配信が可能で、複数台の切り替えにも対応。配信映像は通常のPeriscopeと同じくTwitter上で視聴することができる。

複数台のカメラをスイッチしたり、AR/VRヘッドセットの映像を配信することも

米国ではさっそく大統領候補の討論会、テレビ局のニュース番組などに使われた。ルイ・ヴィトンはファッションショーを高画質で生中継。京都国際映画祭のオープニングセレモニーは世界で7万人以上が視聴した。

同社にとってはユーザーを取り込むクォリティの高いコンテンツを引き込みたいという狙いもあるだろう。またSNSのプラットフォームを組織的に利用できる仕組みを提供することで企業の利用が進めば、ビジネス面の土壌づくりにもつながる。企業にとっても、新たに動画配信プラットフォームを開拓するコストをかけることなく、これまでSNSマーケティングで育てたユーザー基盤をターゲットに動画を投下できることは利点になるはずだ。

Twitterは「世界が必要としている」ツール

スマートフォンからライブ配信ができるプラットフォームは他にも存在するが、Periscopeを特徴付けるのはどういった部分なのだろうか。Kayvon氏が繰り返し強調したのは、Twitterとの連携が強いということだ。

「Twitterは10年以上の歴史があり、人とつながるツールとして確立されたプラットフォームになっています。今何が起きているのか、Twitterの中から情報を得ることが頻繁に行われています。情報がいかに多くの人に、いかに早く広がるか、それを考えればTwitterと連携されていることは非常に大きな強みと言えるでしょう」(Kayvon氏)

技術面ではレイテンシーが低い(遅れのない)配信ができ、インタラクティブであること、ハートやコメント表示などのインタフェース、そしてスマホネイティブな縦位置画面なども特徴的だ。

iPhoneでは、Appleが提供するReplayKitに対応したゲームであればプレイ画面とイン側カメラの映像を同時に配信可能

Kayvon氏は現在のPeriscopeについて「何が良いのか、どこが良くないのかを学びたい。だから、みなさんの実感を知りたいのです」と、成長途上にあるサービスのポテンシャルを信じ、育てていく姿勢を力強く語った。Twitterという大きなプラットフォームの上でどう存在感を発揮していくのか、今後の成長が注目されるアプリだ。