Huaweiのスマートフォン担当部門のナンバー2であるLi Changzhu氏が、中国・深センにある同社本社でインタビューに応じ、スマートフォンビジネスの現状や今後の製品について語った。

HuaweiのVice President Handset business CBGであるLi Changzhu氏

Huaweiは、スマートフォンで拡大を続けている。中国でのシェアは20%程度で1位を確保。日本でもSIMフリー市場で4カ月連続で1位を獲得しており、グローバルでも14%のシェアは第3位に位置する。しかし、Changzhu氏は、「色々な国でシェアが低いのが現状」と吐露。逆に言えばシェア拡大の余地が大きいという認識で、これから伸ばせていけると自信を見せた。

ここ10年の技術の進歩によって、スマートフォンは生活の中で大きな役割を果たす、中心的な存在になった、とChangzhu氏。「スマートフォンはなんでもできるようになり、総合的なハブになっている」と指摘した。Huaweiのスマートフォン開発では、「競争力を必ず維持する」ことが命題で、そのためにまずは高い品質を確保することが「一番重要」だという。

カメラなどの既存技術もイノベーションによって高機能化し、新しい技術も投入することで、他社に対する競争力を確保することを目指している。こうした「技術」が基本にあり、そのためにグローバルのリソースを統合して、研究開発を推進するとのことだ。売上の10%以上が研究開発投資のベースにあり、イノベーションを継続することが求められているそうだ。「品質が高く、その上でクリエイティブなスマートフォンを作る」という2点について注力しているとChangzhu氏は語る。

もともと、Changzhu氏はワイヤレス通信システムを担当していたという。デバイス部門に異動して6年が経ったが、当初はワイヤレス通信システムが難しい分野だと考えていたものの、現在は「端末部門の方がはるかに難しい」と感じているそうだ。ネットワーク技術の発展にともない、端末に必要な要素技術が何十個とあり、そのすべての技術を小さなスマートフォンに統合することが「非常に難しい」とChangzhu氏。

その中で、ディスプレイ、カメラ、SoC、バッテリー、本体構造、外観、材質といった点を特に消費者にとって重要なポイントとして挙げるChangzhu氏。「Huawei自身がすべてをやるのは不可能」であり、自社でできないことはパートナーと共同開発を行うことで対応する、と。SoCは子会社のハイシリコンが研究開発を続けており、そうした製品も利用することで、高品質でイノベーティブな製品を実現していく考えだ。

ただし、Changzhu氏は「ユーザー体験が悪ければ意味がない」とも言う。どれだけ優れた技術でも、ユーザー体験が悪ければ役に立たないと一刀両断。「技術ではなく、ユーザー体験に注目することが重要」だと強調した。