走行性能はいかに

本体がコンパクトになれば、床を掃除するブラシ幅も当然短くなり、一回の動きで掃除できるエリアも小さくなってしまう。そこでminimaruは、「きびきび動く」走行制御機構を搭載した。走行は正面に壁を感知すると別の方向に移動する「ランダムナビゲーション」タイプだが、走行用ソフトウェアの「minimaru AI」を新たに開発。本体内に搭載した複数のセンサーによって、床素材や障害物などの状況を判断し、100以上の行動パターンから最適な動きを選ぶ。

また、本体の直径が小さいため、直径の大きなロボット掃除機よりも素早く回転する。壁と一定の距離を保って走行する機能も備え、壁に沿って動く際は、一般的なロボット掃除機よりも素早く動くそうだ。

小さくてもパワフルに掃除

minimaruの掃除性能は高い。ロボットクリーナーの掃除性能といえば、「集じん性能」と「掃除残しがないか」の2点がポイント。

集じん性能では、ブラシとして床面の溝などからゴミをかきだす「回転ブラシ」と、カーペットに付着した綿ぼこりなどをかきとる「かきとりブラシ」の2本を同時に使用。さらに、掃除をする床の素材に合わせて吸引力を調整する「床質センシング」も併用する。このため、フローリング、カーペット、畳と、ゴミをしっかりと取れるという。

フローリングでゴミをかきだす緑と青の「回転ブラシ」と、カーペットなどに付着したゴミをかきとる赤い「かきとりブラシ」。ふたつのブラシで効率的にゴミを除去

【動画】フローリングとカーペットの上にゴミを付着させ、minimaruを使用。minimaruが通ったあとは、ゴミがほとんどなくなっているのがわかる。ゴミを多めに撒いたため、さすがに一度の走行では完全ではないが、minimaruはランダムナビゲーションなので、何度か同じ場所を行き来することになる
※音声が流れます、ご注意ください

掃除残しに関しては、minimaruは最初にゴミの溜まりやすい部屋の壁際をグルリと掃除。部屋の角を認識すると、ググッと本体を隅に押し込んで、何度か首を振りつつ隅に溜まりやすいゴミを除去する。

部屋を一周したあとは、輪郭を埋めるように部屋の中を掃除。このとき、イスの脚のような障害物があると、この障害物を一周する。このため「障害物の周りだけゴミが溜まる」といった状況が起こりにくい

サイズが小さければ、部屋の角の奥まで本体が入れて「隅」の掃除に有利。会場では45cm、35cm、25cmの円盤を90度の隅に近づける実験も行われた。結果、一番小さい25cmの円が、一番隅に寄ることができた

隅に寄り切れなかった分は、サイドブラシでゴミをかきだす。サイドブラシは本体ぎりぎり端に設置されているほか、ブラシの毛も長め。このため部屋の端のゴミもぐいぐいかきとる