話題をMDR-1000XのNC機能に移そう。本機に搭載されているNC機能は消音効果が高いだけでなく、音楽再生とのバランスがとても自然で、しかも安全性に考慮した新しいオプション機能を満載している。

イヤーカップ側面に電源、NC、Ambient Soundのボタンを搭載する。触れるだけで区別ができるよう、ボタンに長さを変えた突起を配置している

まずはイヤーカップ側面のNCボタンからノイズキャンセリング機能をオンにする。バスに乗りながら試してみたところ、エンジン音やタイヤが路面を打ち鳴らすロードノイズのような、低く響く雑音がすっと消える。カフェの中では、話し声のざわめきや、食器がカチャカチャと鳴る耳障りな金属音をぐんと抑えてくれた。広い音域に分布するノイズをバランス良く消してくれるのが特長だ。そしてNC機能をオンにしたときの、耳にツンと来るような不快なプレッシャーも感じない。屋内も屋外も、極上のオーディオルームに早変わりする。

イヤーカップ外側のマイク。ここから取り込んだノイズをデジタル処理により高精度に除去する

NFCによるBluetoothペアリングにも対応した

NC機能について、さらに深く掘り下げてみよう。まずは、ヘッドホン本体、イヤーカップの内外両側に超小型マイクを搭載して周囲のノイズを集めて、フルデジタルの信号処理エンジンでノイズを打ち消す「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を採用。ヘッドホンが自動で解析して消音処理の強弱を最適化する「フルオートAINC」も搭載された。

新機能は、NC効果をユーザーに合わせて自動で最適化する「パーソナルNCオプティマイザー」だ。ヘッドホンを着けるとき、髪やメガネがヘッドホンに触れてわずかな装着のズレが生まれ、ヘッドホンのNCが十分に働かないことがある。それを解消するのがこの機能である。

ヘッドホンを装着し、左イヤーカップの側面に搭載されているNCボタンを長押しすると、ブザーが鳴ってイヤーカップの中のアコースティックな状態を自動で測定。この約10秒ほどで完了する自動測定をやっておけば、一段と快適なNCで音楽に触れられる。