シースルーの映像はドローンと好相性

後半に登壇したエプソン販売の蟹澤部長は、BT-300の利用シーンを具体的に示しながら、MOVERIOを用いることでどんなユーザビリティが生まれるのか、アイデア次第でさまざまな活用の道が考えられることを訴えた。

エプソン販売 販売推進本部 VP MD部 部長 蟹澤啓明氏

ユーザーがもっともイメージしやすい利用シーンは、いわゆるヘッドマウントディスプレイとして映像コンテンツを楽しむことだろう。インターネット上の動画コンテンツや、ホームネットワークのHDDレコーダーに録画してあるコンテンツなどをmicroSDカードに書き出して(対応製品が必要)、どこでも見られるようになる。

また、スマートフォンの画面をミラーリングで見たり、ポータブルDVDドライブをつなげて映画を見たり、MicroSDカードに入れた動画や静止画なども場所を選ばず楽しめる。

映像視聴アプリとして、「楽天SHOWTIME」、「U-NEXT」のほか、YouTubeの2D/3D/360°動画が見られるアプリ「360 Viewer for MOVERIO」などを標準で用意。スマホやタブレットに直接つなげられるアイ・オー・データ機器のポータブルDVDドライブ「DVDミレル」にも対応する。

さまざまな機器やネットワークサービスとつないで利用できる

充実した映像視聴アプリを備えており、購入してもコンテンツ不足で楽しめないといった心配は無用そうだ

ドローンやアクションカメラとの相性が良いことにも触れた。ドローンは、航空法の改正によって「目視外飛行」が禁止され、機体を目視できる環境でしか飛ばせなくなった。このため、ドローンに搭載したカメラで空撮する場合、どんな映像が撮れているのかモニターで確認しながら撮影するのが難しくなってしまった。MOVERIOであれば、ドローンを目視しながら、ドローンの撮影する映像を視界の中で一度に確認できる。

BT-300は、ドローンベンダーのDJIと提携。DJIが提供するアプリ「DJI GO」を導入することで、DJIのドローン「Phantom」シリーズやアクションカメラ「DJI Osmo」の映像を、リアルタイムで視聴可能だ。さらに、リコーの全天球カメラ「RICOH THETA」で撮影した360°映像も、専用アプリ「THETA(Device Web API Plug-in)」を導入して視聴できる。

ドローンやアクションカメラの使い勝手や用途が広がる。特にドローンユーザーはぜひ注目してほしいところ

エプソンはMOVERIO専用のアプリマーケット「MOVERIO APPS Market」を設けており、開発者が自分で作ったMOVERIO用アプリをアップロードしたり、ユーザーがダウンロードして利用したりできるようにしている。最後に販売目標について、蟹澤部長は、MOVERIOシリーズ全体で今後2年間で約5万台を国内で販売したいと意気込みを示した。